4月6日に晴れる屋で開催されたラヴニカの献身環境名人戦に参加。
スタンダードモチベはほぼ無く、ドラフトも最近ほとんどしていなかったので半ば記念参加の気分だったが、体が覚えていた部分や運の良さ等がかみ合い、幸運にも7-1-1でtop8に入ることができた。
いつも通り、今回はその振り返り日記を書いていく。

○スタンダードのデッキ選択
リストはこれの2位。
https://article.hareruyamtg.com/article/24586/

まず、僕の環境に対する考えを簡潔に説明する。
ラヴニカの献身環境は混迷を極めており、いわゆる板デッキと呼ばれるデッキは存在しないというのが僕の考えだ。
これは、環境に存在するデッキの種類が多すぎて、どのデッキにも致命的な相性のデッキが存在するところに起因する。
そんななか、スゥルタイミッド、エスパーコントロール、グルールアグロはなかなかの万能性を誇っているが、それでもいくつかの致命的な相性のデッキは存在するし、マナベースに欠陥を背負っていることも否定はできない。

このような環境の場合、一定以上のデッキパワーを持った、押しつけの強い、十全に使えるデッキを握るのがベストという持論の元、《運命のきずな》デッキを使うのはだいぶ前から確定していた。
この選択がスタンダードに対するモチベーションの低下をもたらしていた部分もあるが、それは置いておく。

そんななか、なんやかんやで名人戦二日前になってしまい細かいデッキリストも考えていなかったため、《運命のきずな》デッキにおいて僕がかなりの信頼を置いている前環境名人にリストを伺い、リストをシェアさせてもらった。

特徴的な点は《楽園の贈り物》の採用と、フィニッシャーが《ハイドロイド混成体》から《発展/発破》になっている所だ。
《楽園の贈り物》は《発展/発破》のために赤赤を供給してくれる他、《水没遺跡、アズカンタ》の能力で加わるライフゲイン、サイド後の《生体性軟泥》プランを補助してくれる等様々な役割があり、弱い相手はミラーとコントロールくらい。GP以降急速にシェアを広げているグルールアグロに対してクリティカルな一枚であり、キルターンを一ターン長くするのと同時にこちらのアクションを強くできる素晴らしいカード。
《発展/発破》はフィニッシャーでありながら《ハイドロイド混成体》と比べて、クリーチャー除去、ドローとカウンターの嵩増し、《水没遺跡、アズカンタ》で加わる、インスタントアクションとほぼ全ての点においてデッキに合っている。赤赤要求が少し厳しいが、《荒野の再生》があれば実質赤一つ、《楽園の贈り物》があれば何も考えずに唱えられるため見た目ほど問題は無い。

《一瞬》と《悪意ある妨害》の減少、《クロールの銛撃ち》の不採用からミラー、青単へのガードはかなり下がっているが、一般的なシミックネクサスと青単はグルール・赤単と相性が悪く現状SEまで残りづらいと判断したため、SEまで勝ちきることを考えればかなり好み。

○ドラフトピック
組んだデッキ
2《賢者街の学者》
1《フェアリーの決闘者》
1《評議会の急使》
1《組織の伝書使》
2《冷気をもたらすもの》
1《のし歩く城塁》
1《アーチ道の天使》
9クリーチャー
1《空の縛め》
1《略式判決》
1《スライム縛り》
2《吸収》
2《法魔道士の束縛》
2《精神純化》
1《拘引者の忠告》
1《ドビンの鋭感》
1《スフィンクスの眼識》
1《解任+開展》
1《詮索の目》
14呪文
7《島》
6《平地》
4《アゾリウスのギルド門》
17土地

あんまり覚えて無い記憶を辿ってピック譜

1-1 《アーチ道の天使》 レア、アンコで取りたいものが無く、コモンに《的中》や赤黒の低マナクリーチャーがいたラグドス、グルールパックだったため二パック目の返しを期待して白。
1-2 《欲深いスラル》 アゾリウスの強いカードが無かったため《不正相続》との二択で悩んだ結果こちらに。
1-3 《肉儀場の叫び》 《傲慢な支配者》と悩み、赤いカードを多く流していることとレア度的にピック。
1-4 《神無き神殿》 ろくなカードが無かったため青白、エスパーへの変更を鑑みてピック。
1-5 《組織の伝書使》 《評議会のグリフィン》と悩んだが、《肉儀場の叫び》との相性や青白に変更したときの使い勝手を考えてこちらに。
1-6 《ドビンの鋭感》 この段階でこれが流れてくるということは上家にアゾリウスはいないと判断し、アゾリウスをメインにピックすることに。
1-7~15 どこかで《賢者街の学者》と《法魔道士の束縛》、《詮索の目》を拾ったくらいで、あとは悲しみながら《悲しみの騎士》や《大ムンクルス》を泣く泣くピック。

2-1 《のし歩く城塁》 アゾリウスでこいつかーと思いながら一応ピック。
2-2 《略式判決》 《ドビンの鋭感》と相性の良い除去。迷わずピック。
2-3 《空の縛め》
2-4 《冷気をもたらすもの》 わーい、と思いつつ《ヒレバサミダコ》を流して悲しくなる。
2-5 《冷気をもたらすもの》二連できて喜ぶも、また《ヒレバサミダコ》を流してしまって上家育成ゲーム感。
2-6~15 《吸収》、《フェアリーの決闘者》、《スフィンクスの眼識》あたりを拾いながら《棘輪の曲芸》、《孵化+不和》をカット。最後の方で《精神純化》や《肉儀場の叫び》、《オルゾフのロケット》といったしみるカードをピック。

3-1~15 どこかで《不敗の陣形》《解任+開展》《法魔道士の束縛》《スフィンクスの眼識》のパックが来て、《解任+開展》をピック、《法魔道士の束縛》が帰ってきたのは覚えている。後は《鋭射手の斉射》をカットしながら《スライム縛り》や《評議会の急使》、《小走りワニ》や《一面の視線》といったサイドボードカードを適当にピック。

○レポ
スタンダード
R1 スゥルタイミッド ○○
2t《成長のらせん》3t《荒野の再生》を二回から適当に《発展/発破》を《荒野の再生》を割った《ビビアン・リード》に唱えたりして勝ち。

R2 ゲートコントロール ○×○
メインは特に何も無く相性差で勝ち。
二本目は《門破りの雄羊》《押し潰す梢》二枚《否認》《軽蔑的な一撃》と全部もたれてて負け。三本目は《魔術遠眼鏡》二枚で《水没遺跡、アズカンタ》と《天才の記念像》を指定され、《押し潰す梢》で《荒野の再生》が割られるも、クロックを引かれなかったため《発展/発破》を連打してライブラリーを《運命のきずな》だけにして勝ち。

R3 スゥルタイミッド ○○
《ゴルガリの女王、ヴラスカ》がメインに入っていて《楽園の贈り物》が割られたものの、《荒野の再生》が割られなかったためそのまま勝ち。サイド後は特に覚えていないため何も無く勝ってそう。

ドラフト
R4 青白t黒コントロール ○-
メインは常に膠着状態で、だらだらとしたロングゲームに。《不正相続》を着地させてしまうも、時すでに遅し。《ドビンの鋭感》や《アーチ道の天使》でライフが30近くなっていたため、ゲームに影響を及ぼすことは無く、《精神純化》でドローが強い分で勝ち。
この時点で三十分近く時間を使っていたため引き分けも視野に入れながらプレイし、そのまま時間切れで勝ち。

R5 グルール ×○○
メインは《ドビンの鋭感》をぐるぐるさせながら盤面をコントロール。《解任+開展》と《賢者街の学者》でクロックがいたこと、ライフゲイン量が多かったことからライフレースをしかけるものの、暴動三連打とこちらのマナフラがかみ合い合えなく負け。
サイド後はだらだらコントロールしつつ《精神純化》で勝ち。

R6 シミック ×○○
だらだらコントロールしつつ《トカゲ体の混種》以外を捌いて落ち着いていたら《シミックの隆盛》が着地、そのまま押されて負け。
二戦目は《シミックの隆盛》にだけ気をつけつつ、常に《吸収》を構えながらプレイ。相手がしびれを切らして《シミックの隆盛》を唱えてきたので打ち消し、そのまま《精神純化》使い回しルートへ。序盤の《詮索の目》で一枚《精神純化》をディスカードしてしまっていたため二枚目を探すも、最後の一枚まで見つからず焦った。
三戦目は十四分ほどしかなかったため序盤からある程度攻めるプランに。《のし歩く城塁》で地上を全て止めていたため、こちらの飛行クロックを阻害するカード以外は完全に無視し時間ぎりぎりで勝ち。

スタン
R7 青単 ×○×
メイン先手から《成長のらせん》《荒野の再生》でいけるかと思ったが、《セイレーンの嵐静め》《執着的探訪》《呪文貫き》で負け。
二戦目は《成長のらせん》《荒野の再生》が通り、なんやかんやあり無限ターンへ。相手の場に《セイレーンの嵐静め》が二体いたため《僧帽地帯のドルイド》で殴って勝ち。
三戦目は《楽園の贈り物》を《選択》から《呪文貫き》され、相手の動きからカウンターの量が少ないと判断するも、《マーフォークのペテン師》三連打のクロックが早く、《根の罠》を抜いているためチェインが間に合わず負け。

R8 ティムール再生 ○○
6tに《パルン、ニヴ=ミゼット》をぶっぱされるも、返しで《荒野の再生》着地。色々やりつつ《発展/発破》で《パルン、ニヴ=ミゼット》を処理しつつそのまま勝ち。
サイド後はマナトラブルで青がでない相手を虐殺。
R9 ID

SE1 グルール ○○
2t《アズカンタの探索》3t《楽園の贈り物》の返しで《成長室の守護者》順応パンチ。《グルールの呪文砕き》がいないなら楽そうだなと思いつつ《成長のらせん》でお茶を濁していたら、4t5tと《グルールの呪文砕き》が走ってきてびびる。4tの方は返しの《発展/発破》で処理できたことと《楽園の贈り物》のゲインから三点残り、勝ち。
二戦目は《燃えがら蔦》が置けないまま土地が二枚で詰まった相手を《生体性軟泥》と《荒野の再生》で勝ち。

SE2 バントネクサス ×○×
一戦目は《発展/発破》で《吸収》をコピーして《荒野の再生》を通すものの、相手の《ドミナリアの英雄、テフェリー》も通ってしまう。バントカラーなら《一瞬》は入ってないだろうと予想し、ケアせずにメイン《薬術師の眼識》で動いたら《一瞬》を唱えられて負け。
二戦目は《楽園の贈り物》を《秋の騎士》で割られ、《アズカンタの探索》を《拘留代理人》で追放される。しかし、相手の土地が5で止まり、こちらは伸び続けたため《運命のきずな》から仕掛けてそのまま勝ち。
三戦目は4tの《薬術師の眼識》を《中略》で追放されマウントを取られる。《秋の騎士》と《拘留代理人》の存在から《押し潰す梢》の枠が少なそうだと判断し、《発展/発破》構えで《荒野の再生》をぶっぱ。見事に《押し潰す梢》が刺さり、《成長室の守護者》や《エリマキ神秘家》まで唱えられて負け。
何もわからなかった・・・。

○後書き
スタンダードではそこそこ好きなデッキである《運命のきずな》を、ドラフトでは得意アーキタイプであるアゾリウスコントロールを組むことができ、環境最後の大型大会を満喫することができた。
来期スタンダードは、灯争大戦のスポイラーで面白そうなカードがちょくちょく出ているため楽しみなのが半分、新テフェリーで《運命のきずな》ともお別れなんだろうなと悲しさ半分。

最後に、リストを教えてくれた前名人に感謝~。


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