◎前書き
フロンティアのデッキ開拓は人手もカードも全く足りない今日この頃、無事14期フロンティア神に返り咲いたので、神挑戦者決定戦に当たって考えていたデッキや注目したデッキのまとめを書いていくことにした。
そのデッキをどれだけ掘ったかで内容の濃さが違うのは勘弁願う。
今回は4cサヒーリと赤単と緑単《硬化した鱗》について書いていく。
〇4cサヒーリ
参考リスト
https://www.hareruyamtg.com/ja/deck/249947/show/
上記URLは神に返り咲いた時のリスト。
フロンティア屈指のデッキ強度とパワーがある王者デッキ。
観測した中で不利だと感じているデッキは《硬化した鱗》デッキのみ。
簡単な解説は以前の日記にある程度書いてあるので、今回はその後の変更点やサイドプランについて書いていく。
・サイドプラン
サイド後はこちらのコンボプランが通りづらくなることや、《ケイヤの誓い》《時を解す者、テフェリー》等が効きづらくなることが多いため、そのあたりの枚数調整をしながらコントロールプランを強めていくのが基本。
元々コントロールじみたコンボデッキなためうまくサイドを取れば強力なコントロールデッキになり、相手のサイドプランも外せるのが肝要。
それを踏まえて、サイドに必須なカードがいくつかある。
1,追加のアドバンテージソース
コントロールとして振る舞うにはアドバンテージソースが《時を越えた探索》4枚では心もとない。
そもそも4枚では手札に来るかどうかも定かではなく、《時を越えた探索》は一時的なアドバンテージソースであり、恒久的なアドバンテージソースではないからだ。
これを解決するには単純にアドバンテージを恒久的にとれるPWを採用するか、cip能力で大きなアドバンテージが得られるパーマネントが望ましい。
また、PWに関しては採用するに当たって条件がある。
それは、《ゼンディカーの同盟者、ギデオン》に一方的に負けないPWであることだ。
ミラーは《ゼンディカーの同盟者、ギデオン》を巡るゲームになることが多く、それに致命的に弱いカードはなるべくデッキに入れたくはない。
この条件を満たすPWは3マナ以下であるか、能力でPWを処理できるかのどちらかだ。
ただし、間違っても《龍神、ニコル・ボーラス》を採用しようなんてしないこと。《スレイベンの検査官》と《ゼンディカーの同盟者、ギデオン》が採用されているデッキでUBBBRなど出るわけがない。
2,PWに触れるカードを多めに万能除去を数枚。
前の日記にも書いたが、このデッキの欠点はクリーチャーの少なさと除去の選択によってPWを触りづらいことだ。
その欠点を解消したコントロールデッキとなるために、PWに触れるカードは多めにとって損はしない。
万能除去に関しても、コントロールデッキとして振る舞うために75枚で処理できないカードを無くさなければならないからだ。
これはカードプール全体を見ても数が少なく、《完全なる終わり》《苦渋の破棄》《灯の燼滅》から選択になるだろう。
3,全体除去を数枚
これも展開力のあるクリーチャーデッキに対してコントロールデッキが必要なカードだ。
正直赤単程度の展開力とクリーチャーの質であれば単体除去の連打で事足りることもあるが、《集合した中隊》デッキや《硬化した鱗》デッキといった質を兼ね備えたクリーチャーデッキやドレッジといった1ターンに1枚の単体除去では間に合わないデッキも存在する。
4,恒久的な墓地対策+αとして《オルゾフの簒奪者、ケイヤ》
フロンティアにおいて恒久的な墓地対策は《時を越えた探索》対策として重要であり、《時を越えた探索》を採用しているミラーやコントロールに対して運用することを考えると墓地対策以外に役割があるカードが良い。
その条件を踏まえて《オルゾフの簒奪者、ケイヤ》は飛びぬけて強力だ。
ライフゲインによるアグロ対策。
小マイナスによる《硬化した鱗》デッキのXマナファクトクリーチャーや《硬化した鱗》、ミラーの《ゼンディカーの同盟者、ギデオン》のトークンや《スレイベンの検査官》等の処理。
これらだけでも採用に値するが、放置された場合は大マイナスによってゲームを決めてくれるところも高評価だ。
また、《夢を引き裂く者、アショク》も恒久的な墓地対策+αとして一考の余地がある。
こちらは墓地の追放を一気に行えることとサーチ不可能力が魅力。
ドレッジや《不屈の巡礼者、ゴロス》ランプ系のデッキが多いと感じた時には採用した方が良いだろう。
最後に、《悪魔の契約》はサイド後の《守護フェリダー》と《時を解す者、テフェリー》の量や、相手のカード選択によってインアウトを考えた方が良い。
契約死をカードカウントを損せずに避けるカードが大幅に減っているのであればもちろん《悪魔の契約》もアウトすべきだし、例えば相手のデッキに打消しが多く採用されているのであれば、契約死を避けるためのカードを消される確率が上がるため《悪魔の契約》はアウトすべきだ。
・マナベース
1《島》
1《沼》
2《神無き祭殿》
1《神聖なる泉》
1《蒸気孔》
1《聖なる鋳造所》
1《湿った墓》
4《溢れかえる岸辺》
4《汚染された三角州》
3《血染めのぬかるみ》
3《氷河の城砦》
2《水没した地下墓地》
24 U20 B17 W18 R13
基本土地は以前まで《平地》も採用していたが、《島》と《沼》に落ち着いた。
これは赤マナソースの2枚目を《蒸気孔》から《聖なる鋳造所》に変更したことが大きい。
変更した理由は、3t《サヒーリ・ライ》4t《ゼンディカーの同盟者、ギデオン》の動きをする際に、《聖なる鋳造所》があるだけでぐっと土地の置き方が楽になるからだ。
しかし、キープ基準でありマナ拘束の厳しい《思考消去》に絡まない土地が2枚以上存在すると、土地のせいで動きにくくなる確率が高まるため《平地》は不採用となった。
フェッチランドは4tや2枚目の《時を越えた探索》に寄与するため11か12枚が良い。
ここでは《血染めのぬかるみ》を3枚にした。理由は、ゲーム後半で持ってくる土地がなくなりかねないことと、《氷河の城砦》の枚数を増やすことによって《平地》がなくなった分のアンタップイン白マナソースを増やしたかったから。
・スペル選択
以前の日記で挙げなかったのみ解説していく。
《奔流の機械巨人》
主に追加のアドバンテージソースなのでサイドよりのカードだが、《サヒーリ・ライ》の奥義を機能させるために1枚メインに刺した。
デッキ開発当初は《時を解す者、テフェリー》への絶望的な弱さから採用を忌避していたものの、ミラーを多少プレイしたところ、メインは《スレイベンの検査官》《ケイヤの誓い》《ゼンディカーの同盟者、ギデオン》によって意外と《時を解す者、テフェリー》が盤面に定着しにくかったため機能すると判断した。
カードパワーは一級品で、《時を越えた探索》はもちろんサイド後のコントロールプランにおいて1枚差しの万能除去を唱えられるのが魅力的。
もちろん、《守護フェリダー》や《時を解す者、テフェリー》、《サヒーリ・ライ》によって使いまわせるのもありがたい。
また、5/6というサイズから《熱烈の神ハゾレト》や《ゼンディカーの同盟者、ギデオン》のブロック、PW処理も兼ねられる。
《害悪な掌握》
色対策が完全に頭から抜け落ちていたため漏れていた。
ミラーの《ゼンディカーの同盟者、ギデオン》《守護フェリダー》《時を解す者、テフェリー》を処理できるとともに、《硬化した鱗》デッキの脅威も処理できる。
1週間前の神トライアルで《樹皮革のトロール》入りの《硬化した鱗》デッキを使われ、このデッキなら4cサヒーリキラー足りうると感じたため急遽採用することにした。
欠点としては《サヒーリ・ライ》が処理できないことであり、それを解消するのであれば《丸焼き》が望ましいが、こちらは《硬化した鱗》デッキに対して効かないため難しいところ。
しかし、ミラーは3tの《サヒーリ・ライ》でかなり動きが制限されるため、《丸焼き》は75枚に1枚はあった方が良いと挑戦者決定戦後に感じた。
《古呪》
PWに触りづらいこのデッキにおいて、どのようなPWマウントも乗り越えられる効果は破格。
ソーサリーのうえ範囲が狭く重なると動きづらいため採用枚数は1枚に抑え、クリティカルな場面で《時を越えた探索》から探すように運用するのが良い。
《苦渋の破棄》
《ケイヤの誓い》の使いまわしによってライフを保てるこのデッキにおいて、負け筋は処理不能なパーマネントによる圧殺が多く、それを解消してくれる。
《灯の燼滅》も幅広くパーマネントに触ってくれるが、3マナPWや《搭載歩行機械》等の処理はこちらの方が上手。
重なるとライフルーズが苦しくなりがちなので1枚が望ましい。
《浄化の輝き》
これも主に《硬化した鱗》デッキを見据えて採用。
火力やマイナス修正では到底処理できないサイズになる《硬化した鱗》デッキのクリーチャーはもちろん、アーティファクト・エンチャント除去によって《搭載歩行機械》のトークンと《硬化した鱗》も処理できる。
PWマウントも同時に解消できる《啓示の刻》やライフゲインができる《燻蒸》と悩んだが、5マナであることと機体にもクリティカルなことを踏まえてこちらにした。
しかし、《ゼンディカーの代弁者、ニッサ》のトークンやこちらの手掛かりトークンによってパーマネントが加速度的に増えることのみを考えると、《啓示の刻》でも良いかもしれない。
《覆いを割く者、ナーセット》
《守護フェリダー》によって再利用できるアドバンテージソース。
サイド後は1枚差しのカードが多くなりデッキ内のばらつきが激しくなるため、単純なドローよりも見れる範囲の広いこちらの方が強力。
3tに着地したこのカードが次のターンまで生き残るようなことがあれば、4tの《ゼンディカーの同盟者、ギデオン》はもう決まったようなものなため、コントロールやミラーの勝負を決める1枚になりうる。
《時を越えた探索》があるフロンティアではドロー制限が機能しにくいが、それでもミラーにおいて《時を解す者、テフェリー》や《迷い子、フブルスプ》はもちろん、ゲーム後半《スレイベンの検査官》の手掛かりにタイムラグを発生させられるのは良い。
サイドに置く追加のアドバンテージソースとして《ドミナリアの英雄、テフェリー》と悩んだが、見れる枚数の少なさと相手が《覆いを割く者、ナーセット》をコントロールしていた場合のリスクを踏まえてこちらを採用した。
《思考消去》
これは《強迫》ではなく明確にこちらの方が良い理由ができたので特別記述。
元々クリーチャーは《致命的な一押し》と《ケイヤの誓い》でどうにかできると想定していたため、《強迫》とはキャントリップクリーチャーとのマナカーブによって選択していた。
しかし、《硬化した鱗》デッキというクリーチャー満載の不利デッキが出てきた以上、《強迫》を多くする理由もないだろう。
・対《硬化した鱗》について
1t《硬化した鱗》から《樹皮革のトロール》や《大食のハイドラ》を展開してくるパターンと、1t《エルフの神秘家》か《ラノワールのエルフ》から《ゼンディカーの代弁者、ニッサ》や《アーク弓のレインジャー、ビビアン》等のPWを展開してくるパターンともに苦しい。
相手のクロックは基本的に《致命的な一押し》でしか処理できず、《樹皮革のトロール》に至ってはそれですら処理ができない。
また、クロックが速いため《時を越えた探索》を唱えるターンを作らせてもらえず、コンボプランも《歩行バリスタ》によって抑えらてしまう。
4cサヒーリの弱点を見事についたデッキといえる。
メインは絶望的だが、《硬化した鱗》デッキは構造上デッキを回すカードを採用する枠がないため、運が良ければ取れるだろう。
サイド後はこちらが《硬化した鱗》デッキをどれだけ意識しているかで大きく変わる。
《害悪な掌握》《苦渋の破棄》等の単体除去や、《浄化の輝き》《啓示の刻》等の全体除去で完全なコントロールデッキとして振る舞えるように、また、《サヒーリ・ライ》と《守護フェリダー》を限りなくアウトできるようにサイドを構築すればだいぶ相性は改善する。
・エルドレインの王権発売後について
まずは採用を検討しているカードから書いていく。
《魅力的な王子》
cip能力がどれも強めで汎用性も高くパワーがしっかり2あるのがポイント。
しかし、《思考消去》とマナ域が被っているのが厳しいか。
どちらかというと人間《集合した中隊》デッキの方が十全に使えそうではある。
《残忍な騎士》
ついに来た《英雄の破滅》。
前述した通りライフには余裕が持てるかつPWに弱いデッキなため、採用しない理由もないだろう。
墓地に行きにくいデザインなため《時を越えた探索》のコストや《コラガンの命令》による回収はしづらいが、《時を解す者、テフェリー》による使いまわしは強力。
エルドレイン収録の単色特殊土地は、マナベースが厳しいこのデッキでの採用は難しいだろう。
次にこのデッキの今後の立ち位置についてだが、軸が太くしっかりとしたデッキなため一気にメタ外に転がり落ちることはないだろう。
《硬化した鱗》デッキの復権や《残忍な騎士》によるPWヘイトは苦しいが、後者に関してはこちらも使えるうえ、前者はおそらく《残忍な騎士》にかなり苦しむ部類のデッキなため大きな問題もない。
〇赤単
参考リスト
https://www.hareruyamtg.com/ja/deck/249948/show/
上記URLは14期神挑戦者決定戦ファイナリストのリスト。
以前まではプールに存在するライフゲインカードの少なさと豊富なアドバンテージソースによって環境の王者デッキであったが、《ケイヤの誓い》を十全に活用できる4cサヒーリが幅を利かせてからは評価が右肩下がり。
14期神挑戦者決定戦も4cサヒーリだらけだったためSEに残ることはないと考えていたが、この人は多くのサヒーリを倒しながら決勝戦まで到達している。
他デッキとの相性は、《硬化した鱗》デッキには不利、4cサヒーリには相手の構成によるが微不利から不利、その他のデッキには概ね以前までの王者の貫禄通り五分以上の勝負ができるだろう。
僕の考案した赤単t黒の方は以前の日記に書いてあるので、今回はこのリストをベースに書いていく。
・メイン
土地は《山》16と《ラムナプの遺跡》4。
《陽焼けした砂漠》は《ゴブリンの鎖回し》のRRRや《舞台照らし》を絡めた複数アクションを阻害するため、個人的にはこの土地がベスト。
もしも《陽焼けした砂漠》を採用する場合はこの20枚に追加するのが良く、その場合は土地枚数が増加しているため4tまで土地を止めることなくプレイできる確率も上がり、《熱烈の神ハゾレト》が強く運用できるだろう。
クリーチャーは《ボーマットの急使》2《損魂魔道士》2《ゴブリンの鎖回し》3が特徴的だ。
《ボーマットの急使》2と《損魂魔道士》2はそれぞれ4cサヒーリの《スレイベンの検査官》と《時を解す者、テフェリー》に有効でないからだろうか。
ただ、《損魂魔道士》に関しては《魔術師の稲妻》が4枚採用されていることと《ゴブリンの鎖回し》のバリューを上げるために枚数を増やしていいように思える。
《ゴブリンの鎖回し》3はクリーチャーデッキ全般に強く、4cサヒーリ相手にも《時を解す者、テフェリー》のマイナスを綺麗に返せることや、《損魂魔道士》と合わせることによって《スレイベンの検査官》をトレード要員では無くすことが強みとなる。
特に後者は《ヴィーアシーノの紅蓮術師》を採用しているこのリストでは重要だろう。
非クリーチャー呪文は《乱撃斬》《稲妻の一撃》《魔術師の稲妻》《舞台照らし》が4枚。
火力の追加として《ショック》が1枚。
ゲームの蓋として《実験の狂乱》と《反逆の先導者、チャンドラ》が3:1で採用されている。
火力呪文の選択肢として他に《批判家刺殺》と《極上の炎技》が挙げられるが、前者はクリーチャーである程度ライフを削る必要があるデッキの構成上強く使えず、後者は3マナと重くソーサリーであり、《舞台照らし》や《実験の狂乱》との相性の悪さや打消しが環境から少なくなったこともあり強くない。
そのため、《乱撃斬》《稲妻の一撃》《魔術師の稲妻》に加えて火力呪文を採用したい場合は、このリストのように《ショック》がベストだ。
《実験の狂乱》と《反逆の先導者、チャンドラ》が散らしてあるのも、《実験の狂乱》から《実験の狂乱》がめくれる確率を下げつつサイドの枠を削減でき、《反逆の先導者、チャンドラ》自体が《実験の狂乱》と相性が良いのも素晴らしい。
他に採用を検討するカードとしては《鐘突きのズルゴ》や《熱烈の神ハゾレト》が挙げられる。
《鐘突きのズルゴ》は1マナクリーチャーでありながら《スレイベンの検査官》に止まることがなく、後半は速攻クリーチャーとしてソーサリータイミングの除去を避けながらアタックできるのが魅力的だ。
《熱烈の神ハゾレト》はサイドの枠を削減しつつゲームの蓋として機能しない相手がほぼ存在せず、何よりもPWが多く除去が《致命的な一押し》と《ケイヤの誓い》である4cサヒーリに強いのが良い。
また、《危険因子》をメインに採用した赤単も見るが、これは後手の場合勝率がめっきり落ちるのに加え、《覆いを割く者、ナーセット》を採用したコントロールデッキなぞに当たった日には目も当てられないためおすすめしない。
・サイド
追加のゲームの蓋やアドバンテージソース、除去、ライフゲイン阻害等が採用されている。
それぞれ詳しく見ていく。
《丸焼き》
前述の通り4cサヒーリのカード全般の他、《黎明をもたらす者ライラ》や《包囲サイ》といった赤単にとって致命的なライフゲインクリーチャーを処理できる。
赤単ではここまでの汎用性を持ち《黎明をもたらす者ライラ》を処理できるカードはないため採用しない理由もない。
しかし、これでは処理できない致命的なカードとして《ゲトの裏切り者、カリタス》があるため、別の対策カードも必要になる。
《焙り焼き》
範囲は狭いが2マナで5点火力とコスパが良い。
これで見るカードとしては《包囲サイ》と《ゲトの裏切り者、カリタス》といったライフゲインクリーチャーの他、《硬化した鱗》デッキや人間《集合した中隊》デッキのサイズの大きなクリーチャー、《巻きつき蛇》などの2マナで処理しなければならないが2点火力で処理できないシステムクリーチャーが挙げられる。
ピーキーなカードでプレイヤーを対象にも取れないため、採用して1枚が望ましい。
《極上の炎技》
前述したが、サイドに取るのであればそこまで悪くはない。
これで見るカードは《焙り焼き》とかなり被っているが、本体に飛ぶため《焙り焼き》と散らすことによってどんな場面でも最低限の役割を持てる。
しかし、《反逆の先導者、チャンドラ》でも4点ダメージは飛ばせることとそのカードパワーの差を考えると、採用に値するかは難しい。
《焼けつく双陽》
ミラーでの後手や《硬化した鱗》デッキが《巻きつき蛇》を採用していた場合に刺さる。
デッキ構造上攻め手を途切れさせたくはなく、そもそも運用できる場面がかなり限られるなので割り切って採用しないか1枚だけ保険に忍ばせるかというカード。
最悪サイクリングできるため、全体除去の中ではベストだろう。
《カーリ・ゼヴの巧技》
クリーチャーデッキの計算を大きく崩せる一時的コントロール奪取。
《焼けつく双陽》が後手用のカードならばこちらは先手用のカード。
2マナ以下の呪文を唱える能力は果敢クリーチャーと相性が良く、奪取クリーチャーと合わせて少ないマナで大きな打点を生み出せる。
機体も奪取できるため、インスタント4点火力がないこのデッキで困るであろう《キランの真意号》も対象にできる点は地味に魅力的だ。
《熱烈の神ハゾレト》
《衰滅》や《闇の掌握》、《反射魔道士》が流行っていた一時期と比べ、今は処理できるカードが環境から減っているため強力なゲームの蓋足りえるスペックだ。
特に速攻でパワー5な部分がPW環境である現在と噛み合っており、4cサヒーリやPWコントロールにはもちろん、破壊不能なためクリーチャーデッキ全般に強い。
手札が増えていく《実験の狂乱》とは相性が悪く、弱点も《実験の狂乱》と比べて多いためメインに採用されていないが、メタの都合でメインに採用されてもおかしくないだろう。
《反逆の先導者、チャンドラ》
忠誠度能力すべてが赤単と噛み合っていて、サイド後のロングゲームプランにも噛み合っている。
サイド後は小マイナスで《ゲトの裏切り者、カリタス》を処理できる点が高評価だ。
3枚採用しても問題がないほど強力だが、このリストでは《熱烈の神ハゾレト》を2枚採用しているのもあり抑えているのだろう。
《無頼な扇動者、ティボルト》
相手のライフゲインを阻害しつつトークンを2体生成でき、コントロールや4cサヒーリに悪くない。
《ケイヤの誓い》を受けても状況起因処理を挟んでから墓地に送られるためライフゲインが無い点、果敢が誘発するクロックなため盤面にクリーチャーを並べないデッキに対して果敢クリーチャーの打点を無駄なく上げられる点は良い。
しかし、果敢クリーチャーが絡まない場合のクロックは大したことがなく、《肉儀場の叫び》にも弱い点が悲しく、採用するかどうかは難しい。
もしこれを採用する場合には、果敢クリーチャーは多く採用する方が望ましいだろう。
《暴れ回るフェロキドン》
ライフゲインと4cサヒーリのコンボプランを阻害しつつ、3/3威迫と良質なサイズを持ったクリーチャー。
こちらは《無頼な扇動者、ティボルト》に比べてクロックが速い点は魅力的だが、《致命的な一押し》で大きくテンポロスする点が悲しい。
しかし、《集合した中隊》デッキやドレッジといったクリーチャーを大量に展開するデッキに対して強いという唯一性があるため、《無頼な扇動者、ティボルト》とどちらかを採用するのであれば《暴れ回るフェロキドン》の方が良く思える。
他に採用を検討するカードとしては、《歩行バリスタ》や《凶兆艦隊の向こう見ず》が挙げられる。
《歩行バリスタ》は《紺碧のドレイク》を処理できるカードの中では、本体に飛びつつクロックにもなりえるためベスト。意識するのであれば採用しよう。
《凶兆艦隊の向こう見ず》は主にアグロデッキを見つつ、コントロールデッキにもふんわりインできるため枠の調整等で採用を検討したい。
・エルドレインの王権発売後について
まずは採用を検討しているカードから書いていく。
《殺戮の火》
3マナ4点インスタントはフロンティア初。
そろそろバーンじみた赤単が組めるかもしれないので一応検討する。
《砕骨の巨人》
2マナ2点インスタントかつ3/4/3は良いスペック。
プレイヤーを対象にとっても損をしない火力が強力なのは、赤単古来からの決まり。
惜しむらくは《ケイヤの誓い》に弱い点と《ゴブリンの鎖回し》に一方を取られる3マナ域である点だろう。
《義賊》
2/2/2速攻でアタック時アドバンテージ効果は魅力的。
フロンティアでプレイアブルなならず者はいないだろうが、このカードで誘発するので問題はなさそうだ。
土地をプレイできないが、《時を解す者、テフェリー》や《致命的な一押し》、《ゼンディカーの同盟者、ギデオン》のせいで重いカードの価値は下がっているため、唱えられないカードはそうそうないだろう。
《エンバレス城》
《山》が1枚あればアンタップインと条件が軽く、起動効果もコストが安いため1枚は入れ得のように思える。
《ラムナプの遺跡》と一緒に手札に来たときは悲しい。
現在の赤単で使いづらい《ヴィーアシーノの紅蓮術師》や《ギトゥの溶岩走り》、《魔術師の稲妻》の枠をこれら3種に切り替えるのは面白そうだ。
今後の立ち位置については、4cサヒーリがミラーと《硬化した鱗》デッキをどの程度見るかによって変わってくるだろうが、《残忍な騎士》の2点ルーズは間違いなく赤単にとって追い風ではあり、3/2/3絆魂程度なら軽く処理できるため立ち位置は現在より良くなるのではなかろうか。
〇緑単《硬化した鱗》
参考リスト
https://www.hareruyamtg.com/ja/deck/249951/show/
上記URLは14期神挑戦者決定戦top8かつそのスイス6回戦で全勝したリスト。
同氏はこの1週間前に開催された神トライアルにも《硬化した鱗》デッキで出場していたが、その時はタッチ赤され《丸焼き》や《チャンドラの敗北》がサイドボードに採用されていた。
挑戦者決定戦ではそのリストに磨きをかけ、このリストで6-0を記録した。
SEでは惜しくも土地事故によって1没してしまっていたが、事故なく回っていれば優勝も期待できただろう。
ここではその構築について書いていく。
・メイン
4cサヒーリの欄でも記述したが、デッキの軸は二つある。
一つ目は、2種類の1マナマナクリから《ゼンディカーの代弁者、ニッサ》や《アーク弓のレインジャー、ビビアン》、《世界を揺るがす者、ニッサ》を早期展開してマウントを取る軸。
二つ目は、《硬化した鱗》から《樹皮革のトロール》や《大食のハイドラ》といった高サイズクリーチャーを早期展開してマウントを取る軸だ。
さらに、これら二つの軸がナチュラルに交差しており、デッキを強固なものに押し上げている。
《ゼンディカーの代弁者、ニッサ》と《アーク弓のレインジャー、ビビアン》は後引きした《硬化した鱗》のバリューをプラス能力によって高め、高サイズクリーチャーの早期展開はPWを展開する余裕を作る。
《世界を揺るがす者、ニッサ》は一見あまり噛み合っていないように見えるが、環境のPWが強力なため速攻クリーチャーの展開がそもそも環境にあっており、《森》から2倍のマナが出る能力は、マナフラ受けを兼ねているXマナアーティファクトクリーチャーたちに貢献している。
また、ゲーム後半でクリーチャーに+1/+1カウンターが一つでも乗っていれば、《カーンの拠点》と《硬化した鱗》によって異常な速さでクロックが増加する点も素晴らしい。
さらに、フェッチランドを採用せず1色に纏めているため土地から受けるダメージがなく、赤単に対して他のデッキよりも余裕をもって立ち向かえる構成となっている。
土地は《森》20と《カーンの拠点》3、《繁茂の絆》1もカウントできなくはない。
2tのGGと4tのGGGをマナクリを経由せずに捻出しなければいけない場面で、《カーンの拠点》を2枚引くとカードをプレイできずに負けてしまうため《カーンの拠点》は2枚に抑えた方が良いように思える。
スペル選択については、《繁茂の絆》と《領事の旗艦、スカイソブリン》が気にかかる。
《繁茂の絆》は序盤の展開が要なこのデッキに噛み合うカードではなく、《領事の旗艦、スカイソブリン》はPWが多い環境にはマッチしているが軸に沿ったカードではないため、それぞれ24枚目の土地とPWいずれかの追加にすることは検討しよう。
綺麗に纏まった構築になっているため、緑単という形にするのであれば採用を検討する類のカードは今のところ思い当たらない。
デッキ相性について対戦経験が少ないため明確ではないが、おそらくクリーチャーデッキ全般とサヒーリコンボに有利、絡め手が不足でケシスやシミックネクサスのような純正コンボデッキに、アドバンテージソース不足とマナクリの多さから打消しと全体除去が多く採用されているコントロールに不利。
ちなみに、以前まで《硬化した鱗》デッキに採用されていた《マナ喰らいのハイドラ》や《巻きつき蛇》は、《致命的な一押し》《ケイヤの誓い》《時を解す者、テフェリー》すべてに弱いため採用すべきではない。
・サイド
《アーク弓のレインジャー、ビビアン》の大マイナスでサーチする用のカードが多く採用されている。
《夏の帳》
ハンデス、単体除去、打消しに対してハンド、テンポアドバンテージが取れる。
マナクリが多く採用されているこのデッキならば1マナ構える動きはしやすく、守れば勝ちに直結するPWが多いため良くマッチしている。
範囲が広く、相手のプランを崩しやすいので4枚採用しても損しないだろう。
《茨の副官》
2/2/3のサイズと誘発効果が赤単と除去コントロール強力。
マナクリを減らしたいマッチアップでは代わりとなる低マナ域をインしなければならず、このようなカードはサイドに採用すべきだ。
他の2マナ域としては《密輸人の回転翼機》《毅然さの化身》《成長室の守護者》《ファイレクシアの破棄者》等が挙げられるが、それらの中では《茨の副官》が対赤単、コントロールともに強いため良いだろう。
2枚と言わず、マナクリをすっきり1種類アウトできるような枚数も検討したい。
《霊気圏の収集艇》
緑単で採用できる数少ない飛行クリーチャーで、3/5というサイズと絆魂付与でアグロ耐性が高い。
飛行どころか到達も存在しないこのデッキでは、ジェスカイウィンズや青白スピリットのような飛行デッキの攻勢を凌ぐことは難しく、その弱点をカバーできるカードだ。
搭乗コストが1なのもお手軽で、マナクリで搭乗できる。
絆魂能力はPWによるサイズアップの恩恵を大きく受ける点も魅力的だ。
《大食のハイドラ》
メインと合わせて4枚されているが、おそらく《アーク弓のレインジャー、ビビアン》の大マイナスからサーチできる除去兼クリーチャーとして採用されている。
このカードは《硬化した鱗》がない場合のバリューが低いため、メインに4枚採用したくないという理由もありそうだ。
《打ち壊すブロントドン》
《帰化》付きで3/3/4と高サイズなクリーチャー。
《帰化》能力は赤単の《実験の狂乱》はもちろん、シミックネクサスの《荒野の再生》やランプデッキの《不屈の巡礼者、ゴロス》などに機能する。
ハンデスや打消しがなくコンボデッキに不利になることが予想されるため、サイドインしながらサイドに残して置けるように2~3枚の採用も検討したい。
同じくコンボデッキへの対策クリーチャーとして《ファイレクシアの破棄者》が挙げられるが、こちらは《隠された手、ケシス》や《サヒーリ・ライ》等を阻害できるため、どちらを何枚採用するかが難しそうだ。
《不屈の追跡者》
貴重なアドバンテージソースかつ《硬化した鱗》との相性も良い。
コントロールに強力なカードで、これを《夏の帳》で守れればゲームの勝利に大きく近づける。
アドバンテージソースが少ないこのデッキではコントロールデッキに不利になることが予想されるため、こちらも枚数は要検討。
《難題の予見者》
4/4/4cipハンデスだが、この無色カウントで出るわけがない。
《約束された終末、エムラクール》
墓地のカードタイプの数に合わせてコストは減るが、概ねクリーチャーアーティファクトPWしか落ちないため軽くて10マナ。
《世界を揺るがす者、ニッサ》の常在型能力下でなければ出る数字ではない。
《高木背の踏みつけ》
5/5/4トランプル5点ゲインと《スラーグ牙》の劣化のようなクリーチャー。
アグロ相手に《アーク弓のレインジャー、ビビアン》でプラス能力をしながらマウントが取れている状況ならば、こんなカードに頼らなくてもゲームに勝てるだろう。
《魔術遠眼鏡》
シミックネクサスのコンボパーツである《水没遺跡、アズカンタ》を指定できる以外で《ファイレクシアの破棄者》に勝っている点がわからない。
僕は緑系のアグロデッキに対して造形が深くないので他に採用を検討するカードを挙げるのは難しいが、起動効果を阻害する《ファイレクシアの破棄者》、墓地対策の《土覆いのシャーマン》、軽いライフゲインの《ムラーサの胎動》、持続的なライフゲインの《自然の職工、ニッサ》なんかは悪くないだろう。
・エルドレインの王権発売後について
まずは採用を検討するカードから書いていく。
《グレートヘンジ》
《硬化した鱗》と噛みながらライフと手札を稼ぐ。
伝説であることと重いことを踏まえて採用して1枚だろうが、1枚から稼ぐアドバンテージ量は計り知れない。
《探索する獣》
マナクリやトークンによるチャンプブロックを防ぎながらPWを処理できるため、主にミラーで強い。
《ゼンディカーの同盟者、ギデオン》のトークンを無視しながらアタックを通せるのも魅力的。
《ギャレンブリグの領主、ヨルヴォ》
枠的にはおそらく《大食のハイドラ》の枠だろう。
こちらは素のスペックが高い代わりにただ大きい以外特筆することはないが、《大食のハイドラ》は《硬化した鱗》がなければ普通だが除去として運用できる点が優秀だ。
《石とぐろの海蛇》
数少ないメインに採用検討ができる到達持ちで、プロテクション多色なため《ケイヤの誓い》と《時を解す者、テフェリー》への耐性があるのが魅力的。
《ギャレンブリグ城》
5マナ段階からXマナクリーチャーを強く運用できるのが強み。
アンタップ条件も軽く、《カーンの拠点》以外に特殊土地も採用していないため複数枚採用して良いだろう。
今後の立ち位置については《残忍な騎士》に少し苦しむことになるが、結局優勝はしなかったため人口の少なさからそこまで強く意識されず、依然として良い立ち位置になると予想している。
◎後書き
本当は一気にフロンティアデッキまとめみたいな形で全部まとめようと思っていたが、想定外に文字数が嵩んだためここら辺でいったん区切ることに。
気が向いたらまた続きを書きます。
フロンティアのデッキ開拓は人手もカードも全く足りない今日この頃、無事14期フロンティア神に返り咲いたので、神挑戦者決定戦に当たって考えていたデッキや注目したデッキのまとめを書いていくことにした。
そのデッキをどれだけ掘ったかで内容の濃さが違うのは勘弁願う。
今回は4cサヒーリと赤単と緑単《硬化した鱗》について書いていく。
〇4cサヒーリ
参考リスト
https://www.hareruyamtg.com/ja/deck/249947/show/
上記URLは神に返り咲いた時のリスト。
フロンティア屈指のデッキ強度とパワーがある王者デッキ。
観測した中で不利だと感じているデッキは《硬化した鱗》デッキのみ。
簡単な解説は以前の日記にある程度書いてあるので、今回はその後の変更点やサイドプランについて書いていく。
・サイドプラン
サイド後はこちらのコンボプランが通りづらくなることや、《ケイヤの誓い》《時を解す者、テフェリー》等が効きづらくなることが多いため、そのあたりの枚数調整をしながらコントロールプランを強めていくのが基本。
元々コントロールじみたコンボデッキなためうまくサイドを取れば強力なコントロールデッキになり、相手のサイドプランも外せるのが肝要。
それを踏まえて、サイドに必須なカードがいくつかある。
1,追加のアドバンテージソース
コントロールとして振る舞うにはアドバンテージソースが《時を越えた探索》4枚では心もとない。
そもそも4枚では手札に来るかどうかも定かではなく、《時を越えた探索》は一時的なアドバンテージソースであり、恒久的なアドバンテージソースではないからだ。
これを解決するには単純にアドバンテージを恒久的にとれるPWを採用するか、cip能力で大きなアドバンテージが得られるパーマネントが望ましい。
また、PWに関しては採用するに当たって条件がある。
それは、《ゼンディカーの同盟者、ギデオン》に一方的に負けないPWであることだ。
ミラーは《ゼンディカーの同盟者、ギデオン》を巡るゲームになることが多く、それに致命的に弱いカードはなるべくデッキに入れたくはない。
この条件を満たすPWは3マナ以下であるか、能力でPWを処理できるかのどちらかだ。
ただし、間違っても《龍神、ニコル・ボーラス》を採用しようなんてしないこと。《スレイベンの検査官》と《ゼンディカーの同盟者、ギデオン》が採用されているデッキでUBBBRなど出るわけがない。
2,PWに触れるカードを多めに万能除去を数枚。
前の日記にも書いたが、このデッキの欠点はクリーチャーの少なさと除去の選択によってPWを触りづらいことだ。
その欠点を解消したコントロールデッキとなるために、PWに触れるカードは多めにとって損はしない。
万能除去に関しても、コントロールデッキとして振る舞うために75枚で処理できないカードを無くさなければならないからだ。
これはカードプール全体を見ても数が少なく、《完全なる終わり》《苦渋の破棄》《灯の燼滅》から選択になるだろう。
3,全体除去を数枚
これも展開力のあるクリーチャーデッキに対してコントロールデッキが必要なカードだ。
正直赤単程度の展開力とクリーチャーの質であれば単体除去の連打で事足りることもあるが、《集合した中隊》デッキや《硬化した鱗》デッキといった質を兼ね備えたクリーチャーデッキやドレッジといった1ターンに1枚の単体除去では間に合わないデッキも存在する。
4,恒久的な墓地対策+αとして《オルゾフの簒奪者、ケイヤ》
フロンティアにおいて恒久的な墓地対策は《時を越えた探索》対策として重要であり、《時を越えた探索》を採用しているミラーやコントロールに対して運用することを考えると墓地対策以外に役割があるカードが良い。
その条件を踏まえて《オルゾフの簒奪者、ケイヤ》は飛びぬけて強力だ。
ライフゲインによるアグロ対策。
小マイナスによる《硬化した鱗》デッキのXマナファクトクリーチャーや《硬化した鱗》、ミラーの《ゼンディカーの同盟者、ギデオン》のトークンや《スレイベンの検査官》等の処理。
これらだけでも採用に値するが、放置された場合は大マイナスによってゲームを決めてくれるところも高評価だ。
また、《夢を引き裂く者、アショク》も恒久的な墓地対策+αとして一考の余地がある。
こちらは墓地の追放を一気に行えることとサーチ不可能力が魅力。
ドレッジや《不屈の巡礼者、ゴロス》ランプ系のデッキが多いと感じた時には採用した方が良いだろう。
最後に、《悪魔の契約》はサイド後の《守護フェリダー》と《時を解す者、テフェリー》の量や、相手のカード選択によってインアウトを考えた方が良い。
契約死をカードカウントを損せずに避けるカードが大幅に減っているのであればもちろん《悪魔の契約》もアウトすべきだし、例えば相手のデッキに打消しが多く採用されているのであれば、契約死を避けるためのカードを消される確率が上がるため《悪魔の契約》はアウトすべきだ。
・マナベース
1《島》
1《沼》
2《神無き祭殿》
1《神聖なる泉》
1《蒸気孔》
1《聖なる鋳造所》
1《湿った墓》
4《溢れかえる岸辺》
4《汚染された三角州》
3《血染めのぬかるみ》
3《氷河の城砦》
2《水没した地下墓地》
24 U20 B17 W18 R13
基本土地は以前まで《平地》も採用していたが、《島》と《沼》に落ち着いた。
これは赤マナソースの2枚目を《蒸気孔》から《聖なる鋳造所》に変更したことが大きい。
変更した理由は、3t《サヒーリ・ライ》4t《ゼンディカーの同盟者、ギデオン》の動きをする際に、《聖なる鋳造所》があるだけでぐっと土地の置き方が楽になるからだ。
しかし、キープ基準でありマナ拘束の厳しい《思考消去》に絡まない土地が2枚以上存在すると、土地のせいで動きにくくなる確率が高まるため《平地》は不採用となった。
フェッチランドは4tや2枚目の《時を越えた探索》に寄与するため11か12枚が良い。
ここでは《血染めのぬかるみ》を3枚にした。理由は、ゲーム後半で持ってくる土地がなくなりかねないことと、《氷河の城砦》の枚数を増やすことによって《平地》がなくなった分のアンタップイン白マナソースを増やしたかったから。
・スペル選択
以前の日記で挙げなかったのみ解説していく。
《奔流の機械巨人》
主に追加のアドバンテージソースなのでサイドよりのカードだが、《サヒーリ・ライ》の奥義を機能させるために1枚メインに刺した。
デッキ開発当初は《時を解す者、テフェリー》への絶望的な弱さから採用を忌避していたものの、ミラーを多少プレイしたところ、メインは《スレイベンの検査官》《ケイヤの誓い》《ゼンディカーの同盟者、ギデオン》によって意外と《時を解す者、テフェリー》が盤面に定着しにくかったため機能すると判断した。
カードパワーは一級品で、《時を越えた探索》はもちろんサイド後のコントロールプランにおいて1枚差しの万能除去を唱えられるのが魅力的。
もちろん、《守護フェリダー》や《時を解す者、テフェリー》、《サヒーリ・ライ》によって使いまわせるのもありがたい。
また、5/6というサイズから《熱烈の神ハゾレト》や《ゼンディカーの同盟者、ギデオン》のブロック、PW処理も兼ねられる。
《害悪な掌握》
色対策が完全に頭から抜け落ちていたため漏れていた。
ミラーの《ゼンディカーの同盟者、ギデオン》《守護フェリダー》《時を解す者、テフェリー》を処理できるとともに、《硬化した鱗》デッキの脅威も処理できる。
1週間前の神トライアルで《樹皮革のトロール》入りの《硬化した鱗》デッキを使われ、このデッキなら4cサヒーリキラー足りうると感じたため急遽採用することにした。
欠点としては《サヒーリ・ライ》が処理できないことであり、それを解消するのであれば《丸焼き》が望ましいが、こちらは《硬化した鱗》デッキに対して効かないため難しいところ。
しかし、ミラーは3tの《サヒーリ・ライ》でかなり動きが制限されるため、《丸焼き》は75枚に1枚はあった方が良いと挑戦者決定戦後に感じた。
《古呪》
PWに触りづらいこのデッキにおいて、どのようなPWマウントも乗り越えられる効果は破格。
ソーサリーのうえ範囲が狭く重なると動きづらいため採用枚数は1枚に抑え、クリティカルな場面で《時を越えた探索》から探すように運用するのが良い。
《苦渋の破棄》
《ケイヤの誓い》の使いまわしによってライフを保てるこのデッキにおいて、負け筋は処理不能なパーマネントによる圧殺が多く、それを解消してくれる。
《灯の燼滅》も幅広くパーマネントに触ってくれるが、3マナPWや《搭載歩行機械》等の処理はこちらの方が上手。
重なるとライフルーズが苦しくなりがちなので1枚が望ましい。
《浄化の輝き》
これも主に《硬化した鱗》デッキを見据えて採用。
火力やマイナス修正では到底処理できないサイズになる《硬化した鱗》デッキのクリーチャーはもちろん、アーティファクト・エンチャント除去によって《搭載歩行機械》のトークンと《硬化した鱗》も処理できる。
PWマウントも同時に解消できる《啓示の刻》やライフゲインができる《燻蒸》と悩んだが、5マナであることと機体にもクリティカルなことを踏まえてこちらにした。
しかし、《ゼンディカーの代弁者、ニッサ》のトークンやこちらの手掛かりトークンによってパーマネントが加速度的に増えることのみを考えると、《啓示の刻》でも良いかもしれない。
《覆いを割く者、ナーセット》
《守護フェリダー》によって再利用できるアドバンテージソース。
サイド後は1枚差しのカードが多くなりデッキ内のばらつきが激しくなるため、単純なドローよりも見れる範囲の広いこちらの方が強力。
3tに着地したこのカードが次のターンまで生き残るようなことがあれば、4tの《ゼンディカーの同盟者、ギデオン》はもう決まったようなものなため、コントロールやミラーの勝負を決める1枚になりうる。
《時を越えた探索》があるフロンティアではドロー制限が機能しにくいが、それでもミラーにおいて《時を解す者、テフェリー》や《迷い子、フブルスプ》はもちろん、ゲーム後半《スレイベンの検査官》の手掛かりにタイムラグを発生させられるのは良い。
サイドに置く追加のアドバンテージソースとして《ドミナリアの英雄、テフェリー》と悩んだが、見れる枚数の少なさと相手が《覆いを割く者、ナーセット》をコントロールしていた場合のリスクを踏まえてこちらを採用した。
《思考消去》
これは《強迫》ではなく明確にこちらの方が良い理由ができたので特別記述。
元々クリーチャーは《致命的な一押し》と《ケイヤの誓い》でどうにかできると想定していたため、《強迫》とはキャントリップクリーチャーとのマナカーブによって選択していた。
しかし、《硬化した鱗》デッキというクリーチャー満載の不利デッキが出てきた以上、《強迫》を多くする理由もないだろう。
・対《硬化した鱗》について
1t《硬化した鱗》から《樹皮革のトロール》や《大食のハイドラ》を展開してくるパターンと、1t《エルフの神秘家》か《ラノワールのエルフ》から《ゼンディカーの代弁者、ニッサ》や《アーク弓のレインジャー、ビビアン》等のPWを展開してくるパターンともに苦しい。
相手のクロックは基本的に《致命的な一押し》でしか処理できず、《樹皮革のトロール》に至ってはそれですら処理ができない。
また、クロックが速いため《時を越えた探索》を唱えるターンを作らせてもらえず、コンボプランも《歩行バリスタ》によって抑えらてしまう。
4cサヒーリの弱点を見事についたデッキといえる。
メインは絶望的だが、《硬化した鱗》デッキは構造上デッキを回すカードを採用する枠がないため、運が良ければ取れるだろう。
サイド後はこちらが《硬化した鱗》デッキをどれだけ意識しているかで大きく変わる。
《害悪な掌握》《苦渋の破棄》等の単体除去や、《浄化の輝き》《啓示の刻》等の全体除去で完全なコントロールデッキとして振る舞えるように、また、《サヒーリ・ライ》と《守護フェリダー》を限りなくアウトできるようにサイドを構築すればだいぶ相性は改善する。
・エルドレインの王権発売後について
まずは採用を検討しているカードから書いていく。
《魅力的な王子》
cip能力がどれも強めで汎用性も高くパワーがしっかり2あるのがポイント。
しかし、《思考消去》とマナ域が被っているのが厳しいか。
どちらかというと人間《集合した中隊》デッキの方が十全に使えそうではある。
《残忍な騎士》
ついに来た《英雄の破滅》。
前述した通りライフには余裕が持てるかつPWに弱いデッキなため、採用しない理由もないだろう。
墓地に行きにくいデザインなため《時を越えた探索》のコストや《コラガンの命令》による回収はしづらいが、《時を解す者、テフェリー》による使いまわしは強力。
エルドレイン収録の単色特殊土地は、マナベースが厳しいこのデッキでの採用は難しいだろう。
次にこのデッキの今後の立ち位置についてだが、軸が太くしっかりとしたデッキなため一気にメタ外に転がり落ちることはないだろう。
《硬化した鱗》デッキの復権や《残忍な騎士》によるPWヘイトは苦しいが、後者に関してはこちらも使えるうえ、前者はおそらく《残忍な騎士》にかなり苦しむ部類のデッキなため大きな問題もない。
〇赤単
参考リスト
https://www.hareruyamtg.com/ja/deck/249948/show/
上記URLは14期神挑戦者決定戦ファイナリストのリスト。
以前まではプールに存在するライフゲインカードの少なさと豊富なアドバンテージソースによって環境の王者デッキであったが、《ケイヤの誓い》を十全に活用できる4cサヒーリが幅を利かせてからは評価が右肩下がり。
14期神挑戦者決定戦も4cサヒーリだらけだったためSEに残ることはないと考えていたが、この人は多くのサヒーリを倒しながら決勝戦まで到達している。
他デッキとの相性は、《硬化した鱗》デッキには不利、4cサヒーリには相手の構成によるが微不利から不利、その他のデッキには概ね以前までの王者の貫禄通り五分以上の勝負ができるだろう。
僕の考案した赤単t黒の方は以前の日記に書いてあるので、今回はこのリストをベースに書いていく。
・メイン
土地は《山》16と《ラムナプの遺跡》4。
《陽焼けした砂漠》は《ゴブリンの鎖回し》のRRRや《舞台照らし》を絡めた複数アクションを阻害するため、個人的にはこの土地がベスト。
もしも《陽焼けした砂漠》を採用する場合はこの20枚に追加するのが良く、その場合は土地枚数が増加しているため4tまで土地を止めることなくプレイできる確率も上がり、《熱烈の神ハゾレト》が強く運用できるだろう。
クリーチャーは《ボーマットの急使》2《損魂魔道士》2《ゴブリンの鎖回し》3が特徴的だ。
《ボーマットの急使》2と《損魂魔道士》2はそれぞれ4cサヒーリの《スレイベンの検査官》と《時を解す者、テフェリー》に有効でないからだろうか。
ただ、《損魂魔道士》に関しては《魔術師の稲妻》が4枚採用されていることと《ゴブリンの鎖回し》のバリューを上げるために枚数を増やしていいように思える。
《ゴブリンの鎖回し》3はクリーチャーデッキ全般に強く、4cサヒーリ相手にも《時を解す者、テフェリー》のマイナスを綺麗に返せることや、《損魂魔道士》と合わせることによって《スレイベンの検査官》をトレード要員では無くすことが強みとなる。
特に後者は《ヴィーアシーノの紅蓮術師》を採用しているこのリストでは重要だろう。
非クリーチャー呪文は《乱撃斬》《稲妻の一撃》《魔術師の稲妻》《舞台照らし》が4枚。
火力の追加として《ショック》が1枚。
ゲームの蓋として《実験の狂乱》と《反逆の先導者、チャンドラ》が3:1で採用されている。
火力呪文の選択肢として他に《批判家刺殺》と《極上の炎技》が挙げられるが、前者はクリーチャーである程度ライフを削る必要があるデッキの構成上強く使えず、後者は3マナと重くソーサリーであり、《舞台照らし》や《実験の狂乱》との相性の悪さや打消しが環境から少なくなったこともあり強くない。
そのため、《乱撃斬》《稲妻の一撃》《魔術師の稲妻》に加えて火力呪文を採用したい場合は、このリストのように《ショック》がベストだ。
《実験の狂乱》と《反逆の先導者、チャンドラ》が散らしてあるのも、《実験の狂乱》から《実験の狂乱》がめくれる確率を下げつつサイドの枠を削減でき、《反逆の先導者、チャンドラ》自体が《実験の狂乱》と相性が良いのも素晴らしい。
他に採用を検討するカードとしては《鐘突きのズルゴ》や《熱烈の神ハゾレト》が挙げられる。
《鐘突きのズルゴ》は1マナクリーチャーでありながら《スレイベンの検査官》に止まることがなく、後半は速攻クリーチャーとしてソーサリータイミングの除去を避けながらアタックできるのが魅力的だ。
《熱烈の神ハゾレト》はサイドの枠を削減しつつゲームの蓋として機能しない相手がほぼ存在せず、何よりもPWが多く除去が《致命的な一押し》と《ケイヤの誓い》である4cサヒーリに強いのが良い。
また、《危険因子》をメインに採用した赤単も見るが、これは後手の場合勝率がめっきり落ちるのに加え、《覆いを割く者、ナーセット》を採用したコントロールデッキなぞに当たった日には目も当てられないためおすすめしない。
・サイド
追加のゲームの蓋やアドバンテージソース、除去、ライフゲイン阻害等が採用されている。
それぞれ詳しく見ていく。
《丸焼き》
前述の通り4cサヒーリのカード全般の他、《黎明をもたらす者ライラ》や《包囲サイ》といった赤単にとって致命的なライフゲインクリーチャーを処理できる。
赤単ではここまでの汎用性を持ち《黎明をもたらす者ライラ》を処理できるカードはないため採用しない理由もない。
しかし、これでは処理できない致命的なカードとして《ゲトの裏切り者、カリタス》があるため、別の対策カードも必要になる。
《焙り焼き》
範囲は狭いが2マナで5点火力とコスパが良い。
これで見るカードとしては《包囲サイ》と《ゲトの裏切り者、カリタス》といったライフゲインクリーチャーの他、《硬化した鱗》デッキや人間《集合した中隊》デッキのサイズの大きなクリーチャー、《巻きつき蛇》などの2マナで処理しなければならないが2点火力で処理できないシステムクリーチャーが挙げられる。
ピーキーなカードでプレイヤーを対象にも取れないため、採用して1枚が望ましい。
《極上の炎技》
前述したが、サイドに取るのであればそこまで悪くはない。
これで見るカードは《焙り焼き》とかなり被っているが、本体に飛ぶため《焙り焼き》と散らすことによってどんな場面でも最低限の役割を持てる。
しかし、《反逆の先導者、チャンドラ》でも4点ダメージは飛ばせることとそのカードパワーの差を考えると、採用に値するかは難しい。
《焼けつく双陽》
ミラーでの後手や《硬化した鱗》デッキが《巻きつき蛇》を採用していた場合に刺さる。
デッキ構造上攻め手を途切れさせたくはなく、そもそも運用できる場面がかなり限られるなので割り切って採用しないか1枚だけ保険に忍ばせるかというカード。
最悪サイクリングできるため、全体除去の中ではベストだろう。
《カーリ・ゼヴの巧技》
クリーチャーデッキの計算を大きく崩せる一時的コントロール奪取。
《焼けつく双陽》が後手用のカードならばこちらは先手用のカード。
2マナ以下の呪文を唱える能力は果敢クリーチャーと相性が良く、奪取クリーチャーと合わせて少ないマナで大きな打点を生み出せる。
機体も奪取できるため、インスタント4点火力がないこのデッキで困るであろう《キランの真意号》も対象にできる点は地味に魅力的だ。
《熱烈の神ハゾレト》
《衰滅》や《闇の掌握》、《反射魔道士》が流行っていた一時期と比べ、今は処理できるカードが環境から減っているため強力なゲームの蓋足りえるスペックだ。
特に速攻でパワー5な部分がPW環境である現在と噛み合っており、4cサヒーリやPWコントロールにはもちろん、破壊不能なためクリーチャーデッキ全般に強い。
手札が増えていく《実験の狂乱》とは相性が悪く、弱点も《実験の狂乱》と比べて多いためメインに採用されていないが、メタの都合でメインに採用されてもおかしくないだろう。
《反逆の先導者、チャンドラ》
忠誠度能力すべてが赤単と噛み合っていて、サイド後のロングゲームプランにも噛み合っている。
サイド後は小マイナスで《ゲトの裏切り者、カリタス》を処理できる点が高評価だ。
3枚採用しても問題がないほど強力だが、このリストでは《熱烈の神ハゾレト》を2枚採用しているのもあり抑えているのだろう。
《無頼な扇動者、ティボルト》
相手のライフゲインを阻害しつつトークンを2体生成でき、コントロールや4cサヒーリに悪くない。
《ケイヤの誓い》を受けても状況起因処理を挟んでから墓地に送られるためライフゲインが無い点、果敢が誘発するクロックなため盤面にクリーチャーを並べないデッキに対して果敢クリーチャーの打点を無駄なく上げられる点は良い。
しかし、果敢クリーチャーが絡まない場合のクロックは大したことがなく、《肉儀場の叫び》にも弱い点が悲しく、採用するかどうかは難しい。
もしこれを採用する場合には、果敢クリーチャーは多く採用する方が望ましいだろう。
《暴れ回るフェロキドン》
ライフゲインと4cサヒーリのコンボプランを阻害しつつ、3/3威迫と良質なサイズを持ったクリーチャー。
こちらは《無頼な扇動者、ティボルト》に比べてクロックが速い点は魅力的だが、《致命的な一押し》で大きくテンポロスする点が悲しい。
しかし、《集合した中隊》デッキやドレッジといったクリーチャーを大量に展開するデッキに対して強いという唯一性があるため、《無頼な扇動者、ティボルト》とどちらかを採用するのであれば《暴れ回るフェロキドン》の方が良く思える。
他に採用を検討するカードとしては、《歩行バリスタ》や《凶兆艦隊の向こう見ず》が挙げられる。
《歩行バリスタ》は《紺碧のドレイク》を処理できるカードの中では、本体に飛びつつクロックにもなりえるためベスト。意識するのであれば採用しよう。
《凶兆艦隊の向こう見ず》は主にアグロデッキを見つつ、コントロールデッキにもふんわりインできるため枠の調整等で採用を検討したい。
・エルドレインの王権発売後について
まずは採用を検討しているカードから書いていく。
《殺戮の火》
3マナ4点インスタントはフロンティア初。
そろそろバーンじみた赤単が組めるかもしれないので一応検討する。
《砕骨の巨人》
2マナ2点インスタントかつ3/4/3は良いスペック。
プレイヤーを対象にとっても損をしない火力が強力なのは、赤単古来からの決まり。
惜しむらくは《ケイヤの誓い》に弱い点と《ゴブリンの鎖回し》に一方を取られる3マナ域である点だろう。
《義賊》
2/2/2速攻でアタック時アドバンテージ効果は魅力的。
フロンティアでプレイアブルなならず者はいないだろうが、このカードで誘発するので問題はなさそうだ。
土地をプレイできないが、《時を解す者、テフェリー》や《致命的な一押し》、《ゼンディカーの同盟者、ギデオン》のせいで重いカードの価値は下がっているため、唱えられないカードはそうそうないだろう。
《エンバレス城》
《山》が1枚あればアンタップインと条件が軽く、起動効果もコストが安いため1枚は入れ得のように思える。
《ラムナプの遺跡》と一緒に手札に来たときは悲しい。
現在の赤単で使いづらい《ヴィーアシーノの紅蓮術師》や《ギトゥの溶岩走り》、《魔術師の稲妻》の枠をこれら3種に切り替えるのは面白そうだ。
今後の立ち位置については、4cサヒーリがミラーと《硬化した鱗》デッキをどの程度見るかによって変わってくるだろうが、《残忍な騎士》の2点ルーズは間違いなく赤単にとって追い風ではあり、3/2/3絆魂程度なら軽く処理できるため立ち位置は現在より良くなるのではなかろうか。
〇緑単《硬化した鱗》
参考リスト
https://www.hareruyamtg.com/ja/deck/249951/show/
上記URLは14期神挑戦者決定戦top8かつそのスイス6回戦で全勝したリスト。
同氏はこの1週間前に開催された神トライアルにも《硬化した鱗》デッキで出場していたが、その時はタッチ赤され《丸焼き》や《チャンドラの敗北》がサイドボードに採用されていた。
挑戦者決定戦ではそのリストに磨きをかけ、このリストで6-0を記録した。
SEでは惜しくも土地事故によって1没してしまっていたが、事故なく回っていれば優勝も期待できただろう。
ここではその構築について書いていく。
・メイン
4cサヒーリの欄でも記述したが、デッキの軸は二つある。
一つ目は、2種類の1マナマナクリから《ゼンディカーの代弁者、ニッサ》や《アーク弓のレインジャー、ビビアン》、《世界を揺るがす者、ニッサ》を早期展開してマウントを取る軸。
二つ目は、《硬化した鱗》から《樹皮革のトロール》や《大食のハイドラ》といった高サイズクリーチャーを早期展開してマウントを取る軸だ。
さらに、これら二つの軸がナチュラルに交差しており、デッキを強固なものに押し上げている。
《ゼンディカーの代弁者、ニッサ》と《アーク弓のレインジャー、ビビアン》は後引きした《硬化した鱗》のバリューをプラス能力によって高め、高サイズクリーチャーの早期展開はPWを展開する余裕を作る。
《世界を揺るがす者、ニッサ》は一見あまり噛み合っていないように見えるが、環境のPWが強力なため速攻クリーチャーの展開がそもそも環境にあっており、《森》から2倍のマナが出る能力は、マナフラ受けを兼ねているXマナアーティファクトクリーチャーたちに貢献している。
また、ゲーム後半でクリーチャーに+1/+1カウンターが一つでも乗っていれば、《カーンの拠点》と《硬化した鱗》によって異常な速さでクロックが増加する点も素晴らしい。
さらに、フェッチランドを採用せず1色に纏めているため土地から受けるダメージがなく、赤単に対して他のデッキよりも余裕をもって立ち向かえる構成となっている。
土地は《森》20と《カーンの拠点》3、《繁茂の絆》1もカウントできなくはない。
2tのGGと4tのGGGをマナクリを経由せずに捻出しなければいけない場面で、《カーンの拠点》を2枚引くとカードをプレイできずに負けてしまうため《カーンの拠点》は2枚に抑えた方が良いように思える。
スペル選択については、《繁茂の絆》と《領事の旗艦、スカイソブリン》が気にかかる。
《繁茂の絆》は序盤の展開が要なこのデッキに噛み合うカードではなく、《領事の旗艦、スカイソブリン》はPWが多い環境にはマッチしているが軸に沿ったカードではないため、それぞれ24枚目の土地とPWいずれかの追加にすることは検討しよう。
綺麗に纏まった構築になっているため、緑単という形にするのであれば採用を検討する類のカードは今のところ思い当たらない。
デッキ相性について対戦経験が少ないため明確ではないが、おそらくクリーチャーデッキ全般とサヒーリコンボに有利、絡め手が不足でケシスやシミックネクサスのような純正コンボデッキに、アドバンテージソース不足とマナクリの多さから打消しと全体除去が多く採用されているコントロールに不利。
ちなみに、以前まで《硬化した鱗》デッキに採用されていた《マナ喰らいのハイドラ》や《巻きつき蛇》は、《致命的な一押し》《ケイヤの誓い》《時を解す者、テフェリー》すべてに弱いため採用すべきではない。
・サイド
《アーク弓のレインジャー、ビビアン》の大マイナスでサーチする用のカードが多く採用されている。
《夏の帳》
ハンデス、単体除去、打消しに対してハンド、テンポアドバンテージが取れる。
マナクリが多く採用されているこのデッキならば1マナ構える動きはしやすく、守れば勝ちに直結するPWが多いため良くマッチしている。
範囲が広く、相手のプランを崩しやすいので4枚採用しても損しないだろう。
《茨の副官》
2/2/3のサイズと誘発効果が赤単と除去コントロール強力。
マナクリを減らしたいマッチアップでは代わりとなる低マナ域をインしなければならず、このようなカードはサイドに採用すべきだ。
他の2マナ域としては《密輸人の回転翼機》《毅然さの化身》《成長室の守護者》《ファイレクシアの破棄者》等が挙げられるが、それらの中では《茨の副官》が対赤単、コントロールともに強いため良いだろう。
2枚と言わず、マナクリをすっきり1種類アウトできるような枚数も検討したい。
《霊気圏の収集艇》
緑単で採用できる数少ない飛行クリーチャーで、3/5というサイズと絆魂付与でアグロ耐性が高い。
飛行どころか到達も存在しないこのデッキでは、ジェスカイウィンズや青白スピリットのような飛行デッキの攻勢を凌ぐことは難しく、その弱点をカバーできるカードだ。
搭乗コストが1なのもお手軽で、マナクリで搭乗できる。
絆魂能力はPWによるサイズアップの恩恵を大きく受ける点も魅力的だ。
《大食のハイドラ》
メインと合わせて4枚されているが、おそらく《アーク弓のレインジャー、ビビアン》の大マイナスからサーチできる除去兼クリーチャーとして採用されている。
このカードは《硬化した鱗》がない場合のバリューが低いため、メインに4枚採用したくないという理由もありそうだ。
《打ち壊すブロントドン》
《帰化》付きで3/3/4と高サイズなクリーチャー。
《帰化》能力は赤単の《実験の狂乱》はもちろん、シミックネクサスの《荒野の再生》やランプデッキの《不屈の巡礼者、ゴロス》などに機能する。
ハンデスや打消しがなくコンボデッキに不利になることが予想されるため、サイドインしながらサイドに残して置けるように2~3枚の採用も検討したい。
同じくコンボデッキへの対策クリーチャーとして《ファイレクシアの破棄者》が挙げられるが、こちらは《隠された手、ケシス》や《サヒーリ・ライ》等を阻害できるため、どちらを何枚採用するかが難しそうだ。
《不屈の追跡者》
貴重なアドバンテージソースかつ《硬化した鱗》との相性も良い。
コントロールに強力なカードで、これを《夏の帳》で守れればゲームの勝利に大きく近づける。
アドバンテージソースが少ないこのデッキではコントロールデッキに不利になることが予想されるため、こちらも枚数は要検討。
《難題の予見者》
4/4/4cipハンデスだが、この無色カウントで出るわけがない。
《約束された終末、エムラクール》
墓地のカードタイプの数に合わせてコストは減るが、概ねクリーチャーアーティファクトPWしか落ちないため軽くて10マナ。
《世界を揺るがす者、ニッサ》の常在型能力下でなければ出る数字ではない。
《高木背の踏みつけ》
5/5/4トランプル5点ゲインと《スラーグ牙》の劣化のようなクリーチャー。
アグロ相手に《アーク弓のレインジャー、ビビアン》でプラス能力をしながらマウントが取れている状況ならば、こんなカードに頼らなくてもゲームに勝てるだろう。
《魔術遠眼鏡》
シミックネクサスのコンボパーツである《水没遺跡、アズカンタ》を指定できる以外で《ファイレクシアの破棄者》に勝っている点がわからない。
僕は緑系のアグロデッキに対して造形が深くないので他に採用を検討するカードを挙げるのは難しいが、起動効果を阻害する《ファイレクシアの破棄者》、墓地対策の《土覆いのシャーマン》、軽いライフゲインの《ムラーサの胎動》、持続的なライフゲインの《自然の職工、ニッサ》なんかは悪くないだろう。
・エルドレインの王権発売後について
まずは採用を検討するカードから書いていく。
《グレートヘンジ》
《硬化した鱗》と噛みながらライフと手札を稼ぐ。
伝説であることと重いことを踏まえて採用して1枚だろうが、1枚から稼ぐアドバンテージ量は計り知れない。
《探索する獣》
マナクリやトークンによるチャンプブロックを防ぎながらPWを処理できるため、主にミラーで強い。
《ゼンディカーの同盟者、ギデオン》のトークンを無視しながらアタックを通せるのも魅力的。
《ギャレンブリグの領主、ヨルヴォ》
枠的にはおそらく《大食のハイドラ》の枠だろう。
こちらは素のスペックが高い代わりにただ大きい以外特筆することはないが、《大食のハイドラ》は《硬化した鱗》がなければ普通だが除去として運用できる点が優秀だ。
《石とぐろの海蛇》
数少ないメインに採用検討ができる到達持ちで、プロテクション多色なため《ケイヤの誓い》と《時を解す者、テフェリー》への耐性があるのが魅力的。
《ギャレンブリグ城》
5マナ段階からXマナクリーチャーを強く運用できるのが強み。
アンタップ条件も軽く、《カーンの拠点》以外に特殊土地も採用していないため複数枚採用して良いだろう。
今後の立ち位置については《残忍な騎士》に少し苦しむことになるが、結局優勝はしなかったため人口の少なさからそこまで強く意識されず、依然として良い立ち位置になると予想している。
◎後書き
本当は一気にフロンティアデッキまとめみたいな形で全部まとめようと思っていたが、想定外に文字数が嵩んだためここら辺でいったん区切ることに。
気が向いたらまた続きを書きます。
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