パイオニア:思考整理まとめ 後編
2021年4月23日 Magic: The Gathering●イゼットフェニックス
《弧光のフェニックス》による無限クロックと《宝船の巡航》によるリソースの勝ち筋に加え、《弾けるドレイク》《氷の中の存在》などサブの勝ち筋も内包したデッキ。
ひたすらに《宝船の巡航》のカードパワーによって成立しているデッキで、2マナキャントリによって失ったテンポを《宝船の巡航》《弧光のフェニックス》で一気に回収する。
パイオニアのイゼットフェニックスは1マナキャントリが弱い点と《魔力変》《はらわた撃ち》などの0マナスペルがない点から早期に《弧光のフェニックス》をリアニメイトすることが難しく、《宝船の巡航》で得られるリソースも相まってコントロールコンボとして構築するのが無難。
アグロデッキには《乱撃斬》《稲妻の斧》の1マナ除去2種で《宝船の巡航》に繋げ《弾けるドレイク》《弧光のフェニックス》で蓋をするプラン、コントロールデッキにはキャントリで《宝船の巡航》やカウンターをかき集め《弧光のフェニックス》の無限クロックと合わせてリソース勝負を仕掛けるプランを選択する。
フラッドスクリューともにしづらく、複数の勝ち筋を持つため最低限のデッキパワーはあるだろう。
青赤というコントロールにしては不器用な色や、仕掛けるに当たっての必要なマナとカードの多さ、キャントリが重く後手が若干苦しい点が欠点。
キャントリップを唱えるのみのターンがいくつか存在するとはいえ1マナ火力が8枚程度採用されており、《弧光のフェニックス》による無限ブロッカーも最終的に生まれるためクリーチャーデッキには基本有利。
バーン相手は果敢生物のクロックの速さ、ライフゲインの無さ、詰めの本体火力に干渉できない点から不利。
マスカンが多すぎるうえにこちらの勝ち筋がほぼ機能しない5c《ニヴ=ミゼット再誕》、カウンターの薄いコントロールなため《睡蓮の原野》コンボにも不利。
コントロール相手は正直コントロール側の構築次第な面が大きく、《魂標ランタン》《覆いを割く者、ナーセット》の有無や、青黒の場合は《絶滅の契機》《ヴラスカの侮辱》、青白の場合は《残骸の漂着》《封じ込め》などの追放除去の枚数によって変わる。
特に《覆いを割く者、ナーセット》はデッキの軸であるドロースペルが機能不全になるため苦しく、序盤にクロックを展開しない構造上落とすことも難しい。
〇リストを眺めていて気になったカードの感想
・《最大速度》
《弾けるドレイク》とのコンボカード。
インスタント除去が少ないかつゲームが長引く5c《ニヴ=ミゼット再誕》相手にワンショットキルするとのうわさだが、若干懐疑的。
まず、基本的に5c《ニヴ=ミゼット再誕》以外のデッキには《弾けるドレイク》+《最大速度》を行うほどゲームが長引いているのであれば前それはウィンコンデイションでありオーバーキル。
5c《ニヴ=ミゼット再誕》相手も《ニヴ=ミゼット再誕》が着地してしまえばブロッカーとなり攻撃が通ることはなく、《創造の座、オムナス》の場合もライフが大量に増えていくため削り切ることは難しい。
つまり、サイド後はマスカンをまず弾き続けなければいけないというゲームプラン上これをデッキに入れている余裕はないように思えるし、《寓話の小道》or手掛かり+《致命的な一押し》を1枚構えられるだけで妨害されてしまうのも含めて通る気がしない。
・《無効》
おそらく仮想敵は《運命の神、クローティス》と《墓掘りの檻》。
《運命の神、クローティス》に関しては《弧光のフェニックス》《宝船の巡航》ともに機能不全に陥るためカウンターしたいカードではあるが、《墓掘りの檻》は《弧光のフェニックス》にしか効かず《プリズマリの命令》《削剥》で対処もできるため概ね《運命の神、クローティス》専用サイドだろう。
《運命の神、クローティス》を採用しているデッキは5c《ニヴ=ミゼット再誕》とジャンドフードでともに多色が多く、《無化破》の方が適しているように思う。
・《パズルの欠片》《イゼットの魔除け》《プリズマリの命令》《非実体化》《神々の憤怒》《氷の中の存在》《霊気の疾風》《厚かましい借り手》
シルバーバレット枠。キャントリでデッキをとにかく掘っていくため1枚差しでもゲームに関与しやすく、入っているかどうかでかなり変わる。
・《急かし》
限りなく弱い1マナキャントリではあるけれど、パイオニアの1マナキャントリはろくなものがなく《弧光のフェニックス》を返すための1マナアクションとして必要なのだろう。
《突破》よりは《急かし》の方がまだ使えそう。
・《乱撃斬》《マグマのしぶき》
メインは《乱撃斬》が3枚採用されているリストが主流だが、あくまでこのデッキはコントロールであり本体に叩き込む展開は少ない。
《夢の巣のルールス》やミラーで機能する《マグマのしぶき》と散らした方が良いように思える。
・《スプライトのドラゴン》《嵐翼の精体》
パイオニアのフェニックスは前述の通りコントロールであり、序盤のクロックは基本メインに必要がない。
必要なクロックは《弾けるドレイク》のような手が減らず単体で勝つことのできる寿命が長いクロックで、これらのような手の減るクロックを採用する利点は薄い。
もちろん《睡蓮の原野》コンボのような序盤のクロックが欲しくなるデッキもあるが、《覆いを割く者、ナーセット》や《減衰球》などの直接的な対策カードを採用する方が無難。
・《若き紅蓮術士》
メインのデッキ構造上カウンターを構えながらクロックを刻むことは難しいが、5c《ニヴ=ミゼット再誕》や4c《創案の火》相手にはそのプランを取らなければいけなくなる。
《若き紅蓮術士》は2マナと軽く、キャントリを唱えるだけで追加のクロックも展開してくれるため非常に優秀。
《覆いを割く者、ナーセット》への圧もかけられる点も良い。
〇適当に組んでちょっと回したリストと感想
1《氷の中の存在》
1《厚かましい借り手》
4《弧光のフェニックス》
3《弾けるドレイク》
4《選択》
3《稲妻の斧》
1《急かし》
2《棘平原の危険》
2《マグマのしぶき》
1《乱撃斬》
4《航路の作成》
4《巧みな軍略》
2《胸躍る可能性》
1《イゼットの魔除け》
1《非実体化》
1《パズルの欠片》
1《神々の憤怒》
1《プリズマリの命令》
4《宝船の巡航》
41
4《蒸気孔》
4《尖塔断の運河》
4《河川滑りの小道》
2《シヴの浅瀬》
2《島》
1《山》
1《寓話の小道》
1《硫黄の滝》
19
60
1《神々の憤怒》
1《マグマのしぶき》
1《削剥》
3《若き紅蓮術士》
2《無化破》
1《否認》
3《神秘の論争》
1《軽蔑的な一撃》
1《イゼット副長、ラル》
1《覆いを割く者、ナーセット》
15
サイドのカウンターは《ニヴ=ミゼット再誕》《創造の座、オムナス》《覆いを割く者、ナーセット》すべてに干渉できる《神秘の論争》を優先し3枚。
それ以外は、《神秘の論争》ではカウンターできないゲーム後半でも機能する《否認》《軽蔑的な一撃》《無化破》を散らした。
マナ要求カウンターがちょっと多く、《呪文貫き》はいらなそう。《弧光のフェニックス》をリアニメイトさせた後の《絶滅の契機》にはぼちぼち強い。
《霊気の疾風》に関しては、1tずらした後の脅威を結局出し直されてはいけない5c《ニヴ=ミゼット再誕》相手や、1マナのカードを2マナでずらす意味がないバーン相手にそこまで機能しないため採用せず。
グルールや緑単信心相手など、1tずらすことに価値のある相手が増えてきた場合には採用を検討する。
そもそも1tずらすカードであれば《厚かましい借り手》や《非実体化》で十分機能するようにも思える。
感触は、弱くはないけど普通。
カウンターでどうにかなる5c《ニヴ=ミゼット再誕》相手ならばサイド後で改善できるためまだ戦いようはあるが、バーン相手はカラー的にほぼ改善しようがない相性。
キャントリの重さもアグロ相手には気になり、後手時はそのテンポ差で負けがち。
《宝船の巡航》のカードパワーによるごり押しで勝てる点は脳に優しくて良い。
●オーラ
オーラを付けたクリーチャーを《ケイラメトラの恩恵》《命の恵みのアルセイド》で守りつつ殴るアグロデッキ。
《上級建設官、スラム》や《憎しみの幻霊》といった損のしづらいオーラ付与クリーチャーが肝、最近は《成長の季節》を採用したアブザンオーラも台頭してきている。
白黒とアブザンではアブザンの方が純粋にドローエンジンが1種4枚多い分デッキ強度は高くなっていそうだが、《マナの合流点》が多く採用されておりアグロ耐性は下がっている。
オーラを付けて殴る構造上《致命的な一押し》《乱撃斬》などの1マナ除去に弱く、飛び道具がないアグロで最後の詰めもできないためデッキパワーは見た目感じず。
《影の評決》《絶滅の契機》の登場によって全体除去から《ケイラメトラの恩恵》で守ることすらできなくなってしまい、デッキのコンセプト自体が若干崩壊しているように思える。
《成長の季節》は数少ない《影の評決》への解答足りえるためアブザンカラーの方が良さげ。その場合はアグロ用の絆魂オーラが75枚に数枚欲しいだろう。
まっとうにクリーチャー戦をしてくれる《ラノワールのエルフ》《エルフの神秘家》デッキ、除去が少なく全体除去も《ケイラメトラの恩恵》で守れる4c《創案の火》に有利。
《白日の下に》から《影の評決》で全てが崩壊する上に《創造の座、オムナス》でライフが無限に増える5c《ニヴ=ミゼット再誕》、バウンス1マナ除去が苦しいイゼットフェニックス、《致命的な一押し》《波乱の悪魔》でクリーチャーが消えるうえにライフがすぐ戻るジャンドフードに不利。
バーン相手はバーン側の構成次第で、2マナアクションが多ければ多いほどやりやすくなる五分~有利。オーラが先手の場合、バーン側に《乱撃斬》が無ければ絆魂クリーチャー2種にオーラがつきそのまま勝つ展開もあるためメイン戦の先手後手がとても大事。
スピリット相手は《ネベルガストの伝令》《鎖霊》の量次第。
《致命的な一押し》《影の評決》擁する青黒コントロール相手は《成長の季節》を早期に着地させられるかが全てな見た目不利。
《睡蓮の原野》コンボ相手はコンボの最高速度にライフを詰める速度が間に合っていない点、《九つの命》に無力な点、マナ加速全ぶっぱから《精霊龍、ウギン》がきつい点から不利より。
趣味でなし。
●青黒コントロール
おそらく5c《ニヴ=ミゼット再誕》を倒すために生まれたカウンターコントロール。
フィニッシャーは《奔流の機械巨人》と《サメ台風》で、《時を越えた探索》を《奔流の機械巨人》で唱える動きがとにかく強力。
ろくなライフゲインがない、《ドミナリアの英雄、テフェリー》のような1枚で完結している蓋が存在しない、青黒のカラー上エンチャントアーティファクトに触りづらい点が欠点。
アクションが大振りな4c《創案の火》5c《ニヴ=ミゼット再誕》、ピン除去と《影の評決》が刺さる白黒オーラ、ピン除去に加え《サメ台風》《神秘の論争》が刺さるスピリットには有利ぽい。
ろくなライフゲインがないうえに《乱動する渦》にほぼ触れないバーン、《影の評決》によって《屑鉄場のたかり屋》《戦慄の放浪者》は処理できるようになったものの《思考囲い》《変わり谷》で攻め方が多角的な黒単、ゲームが長引く構造上《睡蓮の原野》コンボに不利ぽい。
ジャンドフード相手はエンチャントに触りづらいという点を踏まえても、ゲームがどうあがいても長引くためちゃんと構築すれば若干青黒コントロール側が有利に思えなくもない。わからず。
《吸収》《ドミナリアの英雄、テフェリー》《引き裂き》が使えるジェスカイの方がコントロールとしての対応幅は広いが、《致命的な一押し》《思考囲い》《影の評決》の代替カードはないためトレードオフ。
雑多なメタゲームになりがちな非競技フォーマットにおいて、コントロールを使うことはデッキの軸が相当強くない限りしたくはないので使うことはなさそう。
フェッチランドがあるならば《時を越えた探索》《致命的な一押し》のカードパワーが二回り強くなるため考える。
〇リストを眺めていて気になったカードの感想
・《選択》
2枚コンボや《瞬唱の魔道士》があるわけでもないコントロールで採用されている理由がわからないカード。
《時を越えた探索》を早めるためにしても《検閲》があり、デッキをただただ圧迫しているだけに思える。
・《崇高な天啓》
《奔流の機械巨人》とのコンボを想定して採用されているだろうが、手での嵩張り方やテンポ的にオーバーキル感が強い。
そもそもこのコンボをせずとも《時を越えた探索》を墓地から唱えるだけでも大きくアドバンテージを取ることはできるうえ、サイド後は《神秘の論争》に弱い点もいただけない。
・《覆いを割く者、ナーセット》《思考消去》《思考囲い》
主流のリストのメインに能動的なアクションは採用されておらず非常に心配。
能動的なアクションの少なさはゲームプランの立てづらさや対コンボの弱さに繋がるため多少はあった方が良いように思える。
・《爆発域》
エンチャントアーティファクトに干渉できないかつマナベースに余裕のある青黒コントロールにおいては採用したい1枚。
2枚序盤で重なると動けなくはなるので採用して2枚ぽい。
・《暗記+記憶》
《覆いを割く者、ナーセット》とのコンボでゲームの蓋となる。
普通に裏を唱え相手の手が2枚にするよりも、《奔流の機械巨人》を相手のドローステップに唱え手を0枚にしたい。
表のデッキトップから2枚目バウンスの効果も十分強いため、《覆いを割く者、ナーセット》を採用するのであれば1枚は採用したい。
・《塵へのしがみつき》
《奔流の機械巨人》の誘発《弧光のフェニックス》《大釜の使い魔》《屑鉄場のたかり屋》のリアニメイトへの墓地追放、アグロ相手の再利用できるライフゲイン、何もない場合でもキャントリができると役割が広いカード。
特にライフゲインができる上にここまでの役割が持てる点は貴重で、ぜひ採用したい。
なお、脱出コストは基本的に《時を越えた探索》が使ってしまうため使えたとしても2回がせいぜいだろう。
手に被ると動きが弱くなるので多くて2枚が限度。
・《ゲトの裏切り者、カリタス》
昔はアグロ相手に猛威を揮っていたカードではあるが、現在のアグロ相手には残念ながら力不足である。
攻撃しなければライフゲインができない点と4マナの重さが足を引っ張ってしまい、不利盤面を返すことは難しい。
どちらかというとジャンドフードや《弧光のフェニックス》への墓地対策としての運用が強く、それを意識しての採用ならばアリ。
ライフゲインが欲しいのであれば、《永遠神の投入》や《エレボスの介入》の方が盤面に触りつつ即ライフゲインができるため強い。
なお、これらの重めなライフゲインよりも1マナ除去の追加をする方が、最終的にライフを守ることに貢献してくれるだろう。
〇適当に組んでみたリスト
3《奔流の機械巨人》
4《致命的な一押し》
1《塵へのしがみつき》
4《検閲》
3《思考消去》
2《無情な行動》
1《否認》
3《悪意ある妨害》
2《覆いを割く者、ナーセット》
1《英雄の破滅》
1《絶滅の契機》
2《影の評決》
2《サメ台風》
4《時を越えた探索》
1《暗記+記憶》
34
4《異臭の池》
4《湿った墓》
4《水没した地下墓地》
1《ヴァントレス城》
1《ロークスワイン城》
2《爆発域》
4《寓話の小道》
4《島》
2《沼》
26
60
2《思考囲い》
2《覆いを割く者、ナーセット》
2《サメ台風》
2《神秘の論争》
1《否認》
1《大群への給餌》
2《ゲトの裏切り者、カリタス》
1《肉儀場の叫び》
2《血の長の渇き》
15
ハンデスはメインが《思考消去》でサイドが《思考囲い》、ライフゲインの無さや諜報による探査コスト増加の関係上素直。
ゲームの蓋を作るために《覆いを割く者、ナーセット》と《暗記+記憶》を採用。
《覆いを割く者、ナーセット》はイゼフェニ相手はもちろんミラーや《睡蓮の原野》コンボにも強く、置きリソースは《思考のひずみ》に強い点も良い。
《サメ台風》は手で嵩張って強い相手がスピリットくらいなのでメインサイド2-2に減らした。
《大群への給餌》はエンチャントに触れる貴重な除去。《乱動する渦》や《パンくずの道標》を除去できない展開はそのまま負けに繋がるためライフの2~3点程度上げた方が良い。
《血の長の渇き》はソーサリーである点を除けば最もアグロに強いピン除去。そもそも1マナでテンポを取られることが基本なアグロ相手に2マナで除去をしても手遅れな展開が多く、テンポで後れを取らない1マナであることは非常に重要。
また、《血の長の渇き》は赤アグロの《反逆の先導者、チャンドラ》や緑単信心のPWにも触ることができ優秀。
《ゲトの裏切り者、カリタス》はジャンドフードとイゼットフェニックス用。
本当に気が向いたら回すかも。
●《睡蓮の原野》コンボ
《睡蓮の原野》を《演劇の舞台》と合わせて2枚盤面に揃え《見えざる糸》《熟読》《砂時計の侍臣》でマナを増やし、《深淵への覗き込み》を唱え手札を補充した後さらにマナを増やし、《願いのフェイ》から《副陽の接近》《タッサの神託者》などで勝つのが基本のコンボデッキ。
メインだけでもコンボは完走できるのに加え、《願いのフェイ》を採用しているため《漂流自我》で《睡蓮の原野》を直接抜かれない限りはコンボが止まることはない。
友人が良く使ってて1年くらい前になんか書いてたのでそれ参考。https://note.com/wkmidori/n/neaa91f6e6520#std2w
コントロールやミッドレンジなどの遅いデッキにめっぽう強く、それらのデッキは《減衰球》《覆いを割く者、ナーセット》《概念泥棒》などの対策カードを置かれない限りいくらでも勝つことができる。
また、それらに対しても《萎れ》やマナ加速からの《精霊龍、ウギン》などである程度対応でき、カウンターを構えている2マナに対して《見えざる糸》を使用し戦闘後メインにコンボを決めるなど、見た目よりも柔軟性がある。
アグロ相手は有利ではないものの《樹上の草食獣》《願いのフェイ》による減速が強く、キルターンがそこそこ早いのもあって1~3でそれらを唱えられれば勝利も十分視野。
《霊廟の放浪者》《呪文捕らえ》などカウンターを構えながら展開してくるスピリット、《炎樹族の使者》《ゴブリンの熟練扇動者》による高速クロック擁するグルール、《大いなる創造者、カーン》を採用しているタイプの緑信心に不利。
オーラ相手は《九つの命》による延命や全ぶっぱ《精霊龍、ウギン》が良く機能し、ブロッカー1枚でかなりライフが守れるため五分。
なんなら若干有利な気すらする。
バーン相手は2マナアクションが多ければ多いほど序盤の壁が機能しやすく《睡蓮の原野》コンボ側がやりやすくなる五分~不利。
主流のリストは《乱撃斬》の獰猛達成が難しく、《砕骨の巨人》も採用していないため《九つの命》を乗り越えることは難しい。
《大歓楽の幻霊》はつらいものの、《萎れ》《神々の憤怒》で対応できるのでどっこいどっこい。
基本的に青2浮きで《深淵への覗き込み》を唱え、浮きで《見えざる糸》を唱えることを目標とする平均5キルの最速4キルだが、マナ加速が絡まない場合の4キルは要求値が高く現実的でない。
《樹上の草食獣》《遵法長、バラル》《不連続性》《狼柳の安息所》といったマナ加速のどれか絡む場合は4キルになる確率が上がる。
《樹上の草食獣》は確定として、それ以外にどれを採用するかそもそもしないかはリストごとにばらつきがある。
マナ加速の無い4キル
《睡蓮の原野》《演劇の舞台》盤面で《睡蓮の原野》を《砂時計の侍臣》で起こした後《演劇の舞台》起動で2浮き。《見えざる糸》で《睡蓮の原野》2枚が起きるのでそこからキル。
《砂時計の侍臣》が《見えざる糸》でも可。
《樹上の草食獣》
土地枚数のジャンプなため純粋に《睡蓮の原野》を置くターンが1ターン早くなる。
最も強い。
《遵法長、バラル》
《睡蓮の原野》+土地を《見えざる糸》で起こすだけで7マナ、1浮きで《深淵への覗き込み》が唱えられ、《見えざる糸》まで繋がる。
クリーチャーなため生きてターンが返ってこないと機能せず、青黒コントロールや5c《ニヴ=ミゼット再誕》相手には微妙。
アグロ相手には暇な2、3ターン目に肉壁として機能するだけ良いらしい。
《睡蓮の原野》1枚でコンボが始動する点は破格。
《不連続性》
3t《睡蓮の原野》の誘発を消せるため土地土地《睡蓮の原野》の盤面が生まれる。その土地を生贄に《睡蓮の原野》を設置した後《熟読》や、《演劇の舞台》コピー後3マナ浮く。
《白日の下に》のカウンターや、自ターンエンドの《概念泥棒》を2マナでカウンターする動きができる。
普段は手で腐る《睡蓮の原野》の2枚目を有効札にできる点が魅力。
《狼柳の安息所》
3t《睡蓮の原野》に設置、4t《演劇の舞台》コピー後2マナ浮く。
結局《睡蓮の原野》+《演劇の舞台》を揃える必要がある点は微妙なものの、《砂時計の侍臣》《熟読》から2浮きができる点は良い。
また、《深淵への覗き込み》からの後引き時にも総マナ量の増加に寄与してくれる。
なんだかんだ土地事故して爆発したり、《睡蓮の原野》《演劇の舞台》どちらかが見つからず爆発したりと勝手に死ぬこともあるなんとも言えないデッキ。
意識されると負けて意識されなければ勝つくらいのデッキパワー、弱くはない。
●バーン
昔散々語ってから特に何も変わってないっぽい。未だに主流のリストは赤白で、《大歓楽の幻霊》《ヴィーアシーノの紅蓮術師》と賞味期限の短い2マナクリーチャー大量の形。
パイオニアの赤アグロが《ボロスの魔除け》《夢の巣のルールス》を採用した赤白なことは正直理解できない。
《夢の巣のルールス》は分割6マナで唱えた後《ヴィーアシーノの紅蓮術師》を唱え除去されるとして、計8マナで2点しか通らないため《ラムナプの遺跡》の方がよっぽど強い。
相手のキープ基準がメインからアグロ基準のものとなるので縛りプレイ用のカートとしか思えない。
そもそも、パイオニアの赤アグロは火力が弱いため火力を本体に撃ち込み続けるいわゆるバーンは適さず、1マナクリーチャーでダメージを出すスライが適している。
スライであれば、《ボロスの魔除け》よりもクリーチャーにも飛ぶ《稲妻の一撃》の方が同じ2マナとしてカードパワーが高い。
1マナクリーチャーの攻撃が通りづらくなる《森の女人像》がきつく、強力なライフゲインと《乱動する渦》に触れる《突然の衰微》を持つ5c《ニヴ=ミゼット再誕》、《魔女のかまど》+《大釜の使い魔》がきついジャンドフードに不利。
オーラに先手有利の五分、それ以外はテンポ差を返す手段が特になくライフゲインも乏しいため有利。
〇最近回したリストと感想
4《僧院の速槍》
4《損魂魔道士》
4《ギトゥの溶岩走り》
4《ボーマットの急使》
4《砕骨の巨人》
4《乱撃斬》
4《棘平原の危険》
4《稲妻の一撃》
4《舞台照らし》
2《魔術師の稲妻》
3《反逆の先導者、チャンドラ》
2《髑髏砕きの一撃》
13《山》
4《ラムナプの遺跡》
60
4《乱動する渦》
4《ゴブリンの鎖回し》
4《暴れ回るフェロキドン》
1《減衰球》
2《削剥》
15
スパイがいなくなり《集団的抵抗》を採用する理由もなくなったので、サイドに採用していた《反逆の先導者、チャンドラ》をスライド。
4点火力自体は《創造の座、オムナス》に対して欲しかったため適任。
土地は《髑髏砕きの一撃》《棘平原の危険》込みで23。
《棘平原の危険》は果敢クリーチャーや《ギトゥの溶岩走り》の打点アップに寄与してくれるため見た目よりもずっと火力が出る。
タップインが多少気にはなるが、他のデッキに比べあまりにテンポ差がつくため1枚のタップインは許容できる。
また、《ラノワールのエルフ》《エルフの神秘家》相手後手時は初手の1マナ火力がそのままキープ基準となり強力。
《髑髏砕きの一撃》は正直1枚でも良い。
ただし、基本的にこちらが常にライフを詰める側になるのでこれのせいで負ける展開はほぼミラーのみ。
緑系のデッキやスピリット相手に強め。
3点火力が75枚に6枚だとスピリット相手に不安なのと《霊気圏の収集艇》《魔女のかまど》用に《削剥》。
ジャンドフード用に《暴れ回るフェロキドン》を採用。
《弧光のフェニックス》による無限クロックと《宝船の巡航》によるリソースの勝ち筋に加え、《弾けるドレイク》《氷の中の存在》などサブの勝ち筋も内包したデッキ。
ひたすらに《宝船の巡航》のカードパワーによって成立しているデッキで、2マナキャントリによって失ったテンポを《宝船の巡航》《弧光のフェニックス》で一気に回収する。
パイオニアのイゼットフェニックスは1マナキャントリが弱い点と《魔力変》《はらわた撃ち》などの0マナスペルがない点から早期に《弧光のフェニックス》をリアニメイトすることが難しく、《宝船の巡航》で得られるリソースも相まってコントロールコンボとして構築するのが無難。
アグロデッキには《乱撃斬》《稲妻の斧》の1マナ除去2種で《宝船の巡航》に繋げ《弾けるドレイク》《弧光のフェニックス》で蓋をするプラン、コントロールデッキにはキャントリで《宝船の巡航》やカウンターをかき集め《弧光のフェニックス》の無限クロックと合わせてリソース勝負を仕掛けるプランを選択する。
フラッドスクリューともにしづらく、複数の勝ち筋を持つため最低限のデッキパワーはあるだろう。
青赤というコントロールにしては不器用な色や、仕掛けるに当たっての必要なマナとカードの多さ、キャントリが重く後手が若干苦しい点が欠点。
キャントリップを唱えるのみのターンがいくつか存在するとはいえ1マナ火力が8枚程度採用されており、《弧光のフェニックス》による無限ブロッカーも最終的に生まれるためクリーチャーデッキには基本有利。
バーン相手は果敢生物のクロックの速さ、ライフゲインの無さ、詰めの本体火力に干渉できない点から不利。
マスカンが多すぎるうえにこちらの勝ち筋がほぼ機能しない5c《ニヴ=ミゼット再誕》、カウンターの薄いコントロールなため《睡蓮の原野》コンボにも不利。
コントロール相手は正直コントロール側の構築次第な面が大きく、《魂標ランタン》《覆いを割く者、ナーセット》の有無や、青黒の場合は《絶滅の契機》《ヴラスカの侮辱》、青白の場合は《残骸の漂着》《封じ込め》などの追放除去の枚数によって変わる。
特に《覆いを割く者、ナーセット》はデッキの軸であるドロースペルが機能不全になるため苦しく、序盤にクロックを展開しない構造上落とすことも難しい。
〇リストを眺めていて気になったカードの感想
・《最大速度》
《弾けるドレイク》とのコンボカード。
インスタント除去が少ないかつゲームが長引く5c《ニヴ=ミゼット再誕》相手にワンショットキルするとのうわさだが、若干懐疑的。
まず、基本的に5c《ニヴ=ミゼット再誕》以外のデッキには《弾けるドレイク》+《最大速度》を行うほどゲームが長引いているのであれば前それはウィンコンデイションでありオーバーキル。
5c《ニヴ=ミゼット再誕》相手も《ニヴ=ミゼット再誕》が着地してしまえばブロッカーとなり攻撃が通ることはなく、《創造の座、オムナス》の場合もライフが大量に増えていくため削り切ることは難しい。
つまり、サイド後はマスカンをまず弾き続けなければいけないというゲームプラン上これをデッキに入れている余裕はないように思えるし、《寓話の小道》or手掛かり+《致命的な一押し》を1枚構えられるだけで妨害されてしまうのも含めて通る気がしない。
・《無効》
おそらく仮想敵は《運命の神、クローティス》と《墓掘りの檻》。
《運命の神、クローティス》に関しては《弧光のフェニックス》《宝船の巡航》ともに機能不全に陥るためカウンターしたいカードではあるが、《墓掘りの檻》は《弧光のフェニックス》にしか効かず《プリズマリの命令》《削剥》で対処もできるため概ね《運命の神、クローティス》専用サイドだろう。
《運命の神、クローティス》を採用しているデッキは5c《ニヴ=ミゼット再誕》とジャンドフードでともに多色が多く、《無化破》の方が適しているように思う。
・《パズルの欠片》《イゼットの魔除け》《プリズマリの命令》《非実体化》《神々の憤怒》《氷の中の存在》《霊気の疾風》《厚かましい借り手》
シルバーバレット枠。キャントリでデッキをとにかく掘っていくため1枚差しでもゲームに関与しやすく、入っているかどうかでかなり変わる。
・《急かし》
限りなく弱い1マナキャントリではあるけれど、パイオニアの1マナキャントリはろくなものがなく《弧光のフェニックス》を返すための1マナアクションとして必要なのだろう。
《突破》よりは《急かし》の方がまだ使えそう。
・《乱撃斬》《マグマのしぶき》
メインは《乱撃斬》が3枚採用されているリストが主流だが、あくまでこのデッキはコントロールであり本体に叩き込む展開は少ない。
《夢の巣のルールス》やミラーで機能する《マグマのしぶき》と散らした方が良いように思える。
・《スプライトのドラゴン》《嵐翼の精体》
パイオニアのフェニックスは前述の通りコントロールであり、序盤のクロックは基本メインに必要がない。
必要なクロックは《弾けるドレイク》のような手が減らず単体で勝つことのできる寿命が長いクロックで、これらのような手の減るクロックを採用する利点は薄い。
もちろん《睡蓮の原野》コンボのような序盤のクロックが欲しくなるデッキもあるが、《覆いを割く者、ナーセット》や《減衰球》などの直接的な対策カードを採用する方が無難。
・《若き紅蓮術士》
メインのデッキ構造上カウンターを構えながらクロックを刻むことは難しいが、5c《ニヴ=ミゼット再誕》や4c《創案の火》相手にはそのプランを取らなければいけなくなる。
《若き紅蓮術士》は2マナと軽く、キャントリを唱えるだけで追加のクロックも展開してくれるため非常に優秀。
《覆いを割く者、ナーセット》への圧もかけられる点も良い。
〇適当に組んでちょっと回したリストと感想
1《氷の中の存在》
1《厚かましい借り手》
4《弧光のフェニックス》
3《弾けるドレイク》
4《選択》
3《稲妻の斧》
1《急かし》
2《棘平原の危険》
2《マグマのしぶき》
1《乱撃斬》
4《航路の作成》
4《巧みな軍略》
2《胸躍る可能性》
1《イゼットの魔除け》
1《非実体化》
1《パズルの欠片》
1《神々の憤怒》
1《プリズマリの命令》
4《宝船の巡航》
41
4《蒸気孔》
4《尖塔断の運河》
4《河川滑りの小道》
2《シヴの浅瀬》
2《島》
1《山》
1《寓話の小道》
1《硫黄の滝》
19
60
1《神々の憤怒》
1《マグマのしぶき》
1《削剥》
3《若き紅蓮術士》
2《無化破》
1《否認》
3《神秘の論争》
1《軽蔑的な一撃》
1《イゼット副長、ラル》
1《覆いを割く者、ナーセット》
15
サイドのカウンターは《ニヴ=ミゼット再誕》《創造の座、オムナス》《覆いを割く者、ナーセット》すべてに干渉できる《神秘の論争》を優先し3枚。
それ以外は、《神秘の論争》ではカウンターできないゲーム後半でも機能する《否認》《軽蔑的な一撃》《無化破》を散らした。
マナ要求カウンターがちょっと多く、《呪文貫き》はいらなそう。《弧光のフェニックス》をリアニメイトさせた後の《絶滅の契機》にはぼちぼち強い。
《霊気の疾風》に関しては、1tずらした後の脅威を結局出し直されてはいけない5c《ニヴ=ミゼット再誕》相手や、1マナのカードを2マナでずらす意味がないバーン相手にそこまで機能しないため採用せず。
グルールや緑単信心相手など、1tずらすことに価値のある相手が増えてきた場合には採用を検討する。
そもそも1tずらすカードであれば《厚かましい借り手》や《非実体化》で十分機能するようにも思える。
感触は、弱くはないけど普通。
カウンターでどうにかなる5c《ニヴ=ミゼット再誕》相手ならばサイド後で改善できるためまだ戦いようはあるが、バーン相手はカラー的にほぼ改善しようがない相性。
キャントリの重さもアグロ相手には気になり、後手時はそのテンポ差で負けがち。
《宝船の巡航》のカードパワーによるごり押しで勝てる点は脳に優しくて良い。
●オーラ
オーラを付けたクリーチャーを《ケイラメトラの恩恵》《命の恵みのアルセイド》で守りつつ殴るアグロデッキ。
《上級建設官、スラム》や《憎しみの幻霊》といった損のしづらいオーラ付与クリーチャーが肝、最近は《成長の季節》を採用したアブザンオーラも台頭してきている。
白黒とアブザンではアブザンの方が純粋にドローエンジンが1種4枚多い分デッキ強度は高くなっていそうだが、《マナの合流点》が多く採用されておりアグロ耐性は下がっている。
オーラを付けて殴る構造上《致命的な一押し》《乱撃斬》などの1マナ除去に弱く、飛び道具がないアグロで最後の詰めもできないためデッキパワーは見た目感じず。
《影の評決》《絶滅の契機》の登場によって全体除去から《ケイラメトラの恩恵》で守ることすらできなくなってしまい、デッキのコンセプト自体が若干崩壊しているように思える。
《成長の季節》は数少ない《影の評決》への解答足りえるためアブザンカラーの方が良さげ。その場合はアグロ用の絆魂オーラが75枚に数枚欲しいだろう。
まっとうにクリーチャー戦をしてくれる《ラノワールのエルフ》《エルフの神秘家》デッキ、除去が少なく全体除去も《ケイラメトラの恩恵》で守れる4c《創案の火》に有利。
《白日の下に》から《影の評決》で全てが崩壊する上に《創造の座、オムナス》でライフが無限に増える5c《ニヴ=ミゼット再誕》、バウンス1マナ除去が苦しいイゼットフェニックス、《致命的な一押し》《波乱の悪魔》でクリーチャーが消えるうえにライフがすぐ戻るジャンドフードに不利。
バーン相手はバーン側の構成次第で、2マナアクションが多ければ多いほどやりやすくなる五分~有利。オーラが先手の場合、バーン側に《乱撃斬》が無ければ絆魂クリーチャー2種にオーラがつきそのまま勝つ展開もあるためメイン戦の先手後手がとても大事。
スピリット相手は《ネベルガストの伝令》《鎖霊》の量次第。
《致命的な一押し》《影の評決》擁する青黒コントロール相手は《成長の季節》を早期に着地させられるかが全てな見た目不利。
《睡蓮の原野》コンボ相手はコンボの最高速度にライフを詰める速度が間に合っていない点、《九つの命》に無力な点、マナ加速全ぶっぱから《精霊龍、ウギン》がきつい点から不利より。
趣味でなし。
●青黒コントロール
おそらく5c《ニヴ=ミゼット再誕》を倒すために生まれたカウンターコントロール。
フィニッシャーは《奔流の機械巨人》と《サメ台風》で、《時を越えた探索》を《奔流の機械巨人》で唱える動きがとにかく強力。
ろくなライフゲインがない、《ドミナリアの英雄、テフェリー》のような1枚で完結している蓋が存在しない、青黒のカラー上エンチャントアーティファクトに触りづらい点が欠点。
アクションが大振りな4c《創案の火》5c《ニヴ=ミゼット再誕》、ピン除去と《影の評決》が刺さる白黒オーラ、ピン除去に加え《サメ台風》《神秘の論争》が刺さるスピリットには有利ぽい。
ろくなライフゲインがないうえに《乱動する渦》にほぼ触れないバーン、《影の評決》によって《屑鉄場のたかり屋》《戦慄の放浪者》は処理できるようになったものの《思考囲い》《変わり谷》で攻め方が多角的な黒単、ゲームが長引く構造上《睡蓮の原野》コンボに不利ぽい。
ジャンドフード相手はエンチャントに触りづらいという点を踏まえても、ゲームがどうあがいても長引くためちゃんと構築すれば若干青黒コントロール側が有利に思えなくもない。わからず。
《吸収》《ドミナリアの英雄、テフェリー》《引き裂き》が使えるジェスカイの方がコントロールとしての対応幅は広いが、《致命的な一押し》《思考囲い》《影の評決》の代替カードはないためトレードオフ。
雑多なメタゲームになりがちな非競技フォーマットにおいて、コントロールを使うことはデッキの軸が相当強くない限りしたくはないので使うことはなさそう。
フェッチランドがあるならば《時を越えた探索》《致命的な一押し》のカードパワーが二回り強くなるため考える。
〇リストを眺めていて気になったカードの感想
・《選択》
2枚コンボや《瞬唱の魔道士》があるわけでもないコントロールで採用されている理由がわからないカード。
《時を越えた探索》を早めるためにしても《検閲》があり、デッキをただただ圧迫しているだけに思える。
・《崇高な天啓》
《奔流の機械巨人》とのコンボを想定して採用されているだろうが、手での嵩張り方やテンポ的にオーバーキル感が強い。
そもそもこのコンボをせずとも《時を越えた探索》を墓地から唱えるだけでも大きくアドバンテージを取ることはできるうえ、サイド後は《神秘の論争》に弱い点もいただけない。
・《覆いを割く者、ナーセット》《思考消去》《思考囲い》
主流のリストのメインに能動的なアクションは採用されておらず非常に心配。
能動的なアクションの少なさはゲームプランの立てづらさや対コンボの弱さに繋がるため多少はあった方が良いように思える。
・《爆発域》
エンチャントアーティファクトに干渉できないかつマナベースに余裕のある青黒コントロールにおいては採用したい1枚。
2枚序盤で重なると動けなくはなるので採用して2枚ぽい。
・《暗記+記憶》
《覆いを割く者、ナーセット》とのコンボでゲームの蓋となる。
普通に裏を唱え相手の手が2枚にするよりも、《奔流の機械巨人》を相手のドローステップに唱え手を0枚にしたい。
表のデッキトップから2枚目バウンスの効果も十分強いため、《覆いを割く者、ナーセット》を採用するのであれば1枚は採用したい。
・《塵へのしがみつき》
《奔流の機械巨人》の誘発《弧光のフェニックス》《大釜の使い魔》《屑鉄場のたかり屋》のリアニメイトへの墓地追放、アグロ相手の再利用できるライフゲイン、何もない場合でもキャントリができると役割が広いカード。
特にライフゲインができる上にここまでの役割が持てる点は貴重で、ぜひ採用したい。
なお、脱出コストは基本的に《時を越えた探索》が使ってしまうため使えたとしても2回がせいぜいだろう。
手に被ると動きが弱くなるので多くて2枚が限度。
・《ゲトの裏切り者、カリタス》
昔はアグロ相手に猛威を揮っていたカードではあるが、現在のアグロ相手には残念ながら力不足である。
攻撃しなければライフゲインができない点と4マナの重さが足を引っ張ってしまい、不利盤面を返すことは難しい。
どちらかというとジャンドフードや《弧光のフェニックス》への墓地対策としての運用が強く、それを意識しての採用ならばアリ。
ライフゲインが欲しいのであれば、《永遠神の投入》や《エレボスの介入》の方が盤面に触りつつ即ライフゲインができるため強い。
なお、これらの重めなライフゲインよりも1マナ除去の追加をする方が、最終的にライフを守ることに貢献してくれるだろう。
〇適当に組んでみたリスト
3《奔流の機械巨人》
4《致命的な一押し》
1《塵へのしがみつき》
4《検閲》
3《思考消去》
2《無情な行動》
1《否認》
3《悪意ある妨害》
2《覆いを割く者、ナーセット》
1《英雄の破滅》
1《絶滅の契機》
2《影の評決》
2《サメ台風》
4《時を越えた探索》
1《暗記+記憶》
34
4《異臭の池》
4《湿った墓》
4《水没した地下墓地》
1《ヴァントレス城》
1《ロークスワイン城》
2《爆発域》
4《寓話の小道》
4《島》
2《沼》
26
60
2《思考囲い》
2《覆いを割く者、ナーセット》
2《サメ台風》
2《神秘の論争》
1《否認》
1《大群への給餌》
2《ゲトの裏切り者、カリタス》
1《肉儀場の叫び》
2《血の長の渇き》
15
ハンデスはメインが《思考消去》でサイドが《思考囲い》、ライフゲインの無さや諜報による探査コスト増加の関係上素直。
ゲームの蓋を作るために《覆いを割く者、ナーセット》と《暗記+記憶》を採用。
《覆いを割く者、ナーセット》はイゼフェニ相手はもちろんミラーや《睡蓮の原野》コンボにも強く、置きリソースは《思考のひずみ》に強い点も良い。
《サメ台風》は手で嵩張って強い相手がスピリットくらいなのでメインサイド2-2に減らした。
《大群への給餌》はエンチャントに触れる貴重な除去。《乱動する渦》や《パンくずの道標》を除去できない展開はそのまま負けに繋がるためライフの2~3点程度上げた方が良い。
《血の長の渇き》はソーサリーである点を除けば最もアグロに強いピン除去。そもそも1マナでテンポを取られることが基本なアグロ相手に2マナで除去をしても手遅れな展開が多く、テンポで後れを取らない1マナであることは非常に重要。
また、《血の長の渇き》は赤アグロの《反逆の先導者、チャンドラ》や緑単信心のPWにも触ることができ優秀。
《ゲトの裏切り者、カリタス》はジャンドフードとイゼットフェニックス用。
本当に気が向いたら回すかも。
●《睡蓮の原野》コンボ
《睡蓮の原野》を《演劇の舞台》と合わせて2枚盤面に揃え《見えざる糸》《熟読》《砂時計の侍臣》でマナを増やし、《深淵への覗き込み》を唱え手札を補充した後さらにマナを増やし、《願いのフェイ》から《副陽の接近》《タッサの神託者》などで勝つのが基本のコンボデッキ。
メインだけでもコンボは完走できるのに加え、《願いのフェイ》を採用しているため《漂流自我》で《睡蓮の原野》を直接抜かれない限りはコンボが止まることはない。
友人が良く使ってて1年くらい前になんか書いてたのでそれ参考。https://note.com/wkmidori/n/neaa91f6e6520#std2w
コントロールやミッドレンジなどの遅いデッキにめっぽう強く、それらのデッキは《減衰球》《覆いを割く者、ナーセット》《概念泥棒》などの対策カードを置かれない限りいくらでも勝つことができる。
また、それらに対しても《萎れ》やマナ加速からの《精霊龍、ウギン》などである程度対応でき、カウンターを構えている2マナに対して《見えざる糸》を使用し戦闘後メインにコンボを決めるなど、見た目よりも柔軟性がある。
アグロ相手は有利ではないものの《樹上の草食獣》《願いのフェイ》による減速が強く、キルターンがそこそこ早いのもあって1~3でそれらを唱えられれば勝利も十分視野。
《霊廟の放浪者》《呪文捕らえ》などカウンターを構えながら展開してくるスピリット、《炎樹族の使者》《ゴブリンの熟練扇動者》による高速クロック擁するグルール、《大いなる創造者、カーン》を採用しているタイプの緑信心に不利。
オーラ相手は《九つの命》による延命や全ぶっぱ《精霊龍、ウギン》が良く機能し、ブロッカー1枚でかなりライフが守れるため五分。
なんなら若干有利な気すらする。
バーン相手は2マナアクションが多ければ多いほど序盤の壁が機能しやすく《睡蓮の原野》コンボ側がやりやすくなる五分~不利。
主流のリストは《乱撃斬》の獰猛達成が難しく、《砕骨の巨人》も採用していないため《九つの命》を乗り越えることは難しい。
《大歓楽の幻霊》はつらいものの、《萎れ》《神々の憤怒》で対応できるのでどっこいどっこい。
基本的に青2浮きで《深淵への覗き込み》を唱え、浮きで《見えざる糸》を唱えることを目標とする平均5キルの最速4キルだが、マナ加速が絡まない場合の4キルは要求値が高く現実的でない。
《樹上の草食獣》《遵法長、バラル》《不連続性》《狼柳の安息所》といったマナ加速のどれか絡む場合は4キルになる確率が上がる。
《樹上の草食獣》は確定として、それ以外にどれを採用するかそもそもしないかはリストごとにばらつきがある。
マナ加速の無い4キル
《睡蓮の原野》《演劇の舞台》盤面で《睡蓮の原野》を《砂時計の侍臣》で起こした後《演劇の舞台》起動で2浮き。《見えざる糸》で《睡蓮の原野》2枚が起きるのでそこからキル。
《砂時計の侍臣》が《見えざる糸》でも可。
《樹上の草食獣》
土地枚数のジャンプなため純粋に《睡蓮の原野》を置くターンが1ターン早くなる。
最も強い。
《遵法長、バラル》
《睡蓮の原野》+土地を《見えざる糸》で起こすだけで7マナ、1浮きで《深淵への覗き込み》が唱えられ、《見えざる糸》まで繋がる。
クリーチャーなため生きてターンが返ってこないと機能せず、青黒コントロールや5c《ニヴ=ミゼット再誕》相手には微妙。
アグロ相手には暇な2、3ターン目に肉壁として機能するだけ良いらしい。
《睡蓮の原野》1枚でコンボが始動する点は破格。
《不連続性》
3t《睡蓮の原野》の誘発を消せるため土地土地《睡蓮の原野》の盤面が生まれる。その土地を生贄に《睡蓮の原野》を設置した後《熟読》や、《演劇の舞台》コピー後3マナ浮く。
《白日の下に》のカウンターや、自ターンエンドの《概念泥棒》を2マナでカウンターする動きができる。
普段は手で腐る《睡蓮の原野》の2枚目を有効札にできる点が魅力。
《狼柳の安息所》
3t《睡蓮の原野》に設置、4t《演劇の舞台》コピー後2マナ浮く。
結局《睡蓮の原野》+《演劇の舞台》を揃える必要がある点は微妙なものの、《砂時計の侍臣》《熟読》から2浮きができる点は良い。
また、《深淵への覗き込み》からの後引き時にも総マナ量の増加に寄与してくれる。
なんだかんだ土地事故して爆発したり、《睡蓮の原野》《演劇の舞台》どちらかが見つからず爆発したりと勝手に死ぬこともあるなんとも言えないデッキ。
意識されると負けて意識されなければ勝つくらいのデッキパワー、弱くはない。
●バーン
昔散々語ってから特に何も変わってないっぽい。未だに主流のリストは赤白で、《大歓楽の幻霊》《ヴィーアシーノの紅蓮術師》と賞味期限の短い2マナクリーチャー大量の形。
パイオニアの赤アグロが《ボロスの魔除け》《夢の巣のルールス》を採用した赤白なことは正直理解できない。
《夢の巣のルールス》は分割6マナで唱えた後《ヴィーアシーノの紅蓮術師》を唱え除去されるとして、計8マナで2点しか通らないため《ラムナプの遺跡》の方がよっぽど強い。
相手のキープ基準がメインからアグロ基準のものとなるので縛りプレイ用のカートとしか思えない。
そもそも、パイオニアの赤アグロは火力が弱いため火力を本体に撃ち込み続けるいわゆるバーンは適さず、1マナクリーチャーでダメージを出すスライが適している。
スライであれば、《ボロスの魔除け》よりもクリーチャーにも飛ぶ《稲妻の一撃》の方が同じ2マナとしてカードパワーが高い。
1マナクリーチャーの攻撃が通りづらくなる《森の女人像》がきつく、強力なライフゲインと《乱動する渦》に触れる《突然の衰微》を持つ5c《ニヴ=ミゼット再誕》、《魔女のかまど》+《大釜の使い魔》がきついジャンドフードに不利。
オーラに先手有利の五分、それ以外はテンポ差を返す手段が特になくライフゲインも乏しいため有利。
〇最近回したリストと感想
4《僧院の速槍》
4《損魂魔道士》
4《ギトゥの溶岩走り》
4《ボーマットの急使》
4《砕骨の巨人》
4《乱撃斬》
4《棘平原の危険》
4《稲妻の一撃》
4《舞台照らし》
2《魔術師の稲妻》
3《反逆の先導者、チャンドラ》
2《髑髏砕きの一撃》
13《山》
4《ラムナプの遺跡》
60
4《乱動する渦》
4《ゴブリンの鎖回し》
4《暴れ回るフェロキドン》
1《減衰球》
2《削剥》
15
スパイがいなくなり《集団的抵抗》を採用する理由もなくなったので、サイドに採用していた《反逆の先導者、チャンドラ》をスライド。
4点火力自体は《創造の座、オムナス》に対して欲しかったため適任。
土地は《髑髏砕きの一撃》《棘平原の危険》込みで23。
《棘平原の危険》は果敢クリーチャーや《ギトゥの溶岩走り》の打点アップに寄与してくれるため見た目よりもずっと火力が出る。
タップインが多少気にはなるが、他のデッキに比べあまりにテンポ差がつくため1枚のタップインは許容できる。
また、《ラノワールのエルフ》《エルフの神秘家》相手後手時は初手の1マナ火力がそのままキープ基準となり強力。
《髑髏砕きの一撃》は正直1枚でも良い。
ただし、基本的にこちらが常にライフを詰める側になるのでこれのせいで負ける展開はほぼミラーのみ。
緑系のデッキやスピリット相手に強め。
3点火力が75枚に6枚だとスピリット相手に不安なのと《霊気圏の収集艇》《魔女のかまど》用に《削剥》。
ジャンドフード用に《暴れ回るフェロキドン》を採用。
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